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著者: 糸満盛憲
所属機関:
ページ範囲:P.332 - P.332
文献購入ページに移動さてわが国では,大学医局の血の滲むような努力によって支えられてきた,地方の中小病院への医師の派遣ができなくなるきっかけを作った新臨床研修システムの導入で,図らずも本来の医師不足の実態が明るみに出ることになった.大学医局への医師の偏在を打破し,市中病院に分散を図ることをもくろんだ厚生労働省の意図は,若手医師の都市集中による偏在を助長して,もろくも崩れた.これを少しでも緩和しようと,初期研修の2年目は将来進む科で1年間研修することを可能にした.何のことはない.初期研修を1年に短縮したということである.また医学部定員が増員されたが,これが功を奏するのは10年以上も先のことである.それまでの間をどのように凌ぐかが大きな問題である.
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