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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻4号

2009年04月発行

文献概要

装具

骨粗鬆症性椎体骨折後の後弯変形に対する装具療法選択のための三次元動作分析

著者: 町田正文12 桐山善守1 福田健太郎2 塩田匡宣2 河野仁2 宝亀登2 岩波明生2 金子慎二郎2 池上健2 竹光正和2 加藤裕幸2 山岸正明2

所属機関: 1国立病院機構村山医療センター臨床研究センター 2国立病院機構村山医療センター整形外科

ページ範囲:P.369 - P.376

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 骨粗鬆症性椎体骨折による後弯変形に対する装具療法の適応を明らかにするために光学式計測カメラを用いて,頭部,体幹,骨盤,下肢を含めた全身動作の三次元動作分析と床反力ベクトルを検討した.立位安静時と歩行負荷時における動作姿勢は症例により異なるが,歩行負荷時には後弯の増強,骨盤の前傾あるいは後傾,股・膝関節が屈曲位となり,“真の姿勢異常”がとらえることができた.本検査は全身の矢状面アライメントを動的な状態でもとらえることができるため,立位静止時のX線検査と異なり歩行動作による関節への影響や姿勢の変化を明らかにすることができた.本検査により,ギプス矯正後の立位安静時に骨盤を含めた下肢に代償性変化を伴わず,耳朶から降ろした重心線と床反力ベクトルが一致した矯正有効症例は臨床症状の改善と相関しており,装具療法適応の決定に有用な指標になり得ると思われた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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