icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻4号

2009年04月発行

文献概要

--------------------

あとがき フリーアクセス

著者: 清水克時

所属機関:

ページ範囲:P.426 - P.426

文献購入ページに移動
 春爛漫,満開の桜が咲く校庭.典型的な日本の風景です.欧米などでは9月に新学期を迎えるところが多いようですが,わが国で4月が新学期となった起源は,1886(明治19)年10月に,高等師範学校が学年暦を4月1日からと定め,それが全国の学校に広がってからだそうです.明治のはじめには,欧米にならって9月始まりのところもあったようですが,農業国であったわが国の会計年度を,米の作付けが始まる前の4月で区切るようになりました.それにあわせて,軍隊への入隊時期が4月になります.師範学校の入学が軍隊よりも半年遅いと,優秀な若者が軍や士官学校にとられてしまいます.それではということで,それまで9月始まりだった高等師範学校を,4月始まりに変更したというのが4月新学期になったいきさつだそうです.

 ことの起源はともかく,4月新学期が定着したひとつの理由は,この時期が桜の開花と一致していたからではないでしょうか.桜が一度に咲いて,一度に散る様は,卒業から新入学へとつながる人生のドラマとよく合っています.学校のドラマの背景として桜がふさわしいからこそ,4月新学期という伝統が続いてきたのではないかと思います.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら