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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻5号

2009年05月発行

文献概要

検査法

健常者における10秒テストと身体機能の相関

著者: 陳俊輔1 沼沢拓也1 横山徹1 小野睦1 和田簡一郎1 梅田孝2 高橋一平2 中路重之2 藤哲1

所属機関: 1弘前大学大学院医学研究科整形外科学講座 2弘前大学大学院医学研究科社会医学講座

ページ範囲:P.473 - P.478

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 頚髄症の簡便検査法である10秒テストが身体機能と関連するかについて,高齢健常者を対象に調査した.対象は地域住民検診に参加した961名のうち,60歳以上で脳疾患,関節リウマチ,脊椎手術の既往例を除外した506名である.身体機能検査は,開眼片足立ち,長座体前屈,棒反応と握力を測定した.健常者全体の10秒テストの平均値は20.6±4.4回であり,年齢とは弱い負の相関を示した.10秒テストと各身体機能の関連では棒反応のみが弱い相関を示し,その他の運動機能とは相関していなかった.今回の結果から,加齢による身体能力の低下が10秒テストの回数に与える影響は少なく,その回数自体の低下は頚髄症患者で著明であることから,健常者においても神経伝導障害の影響を強く受けている可能性が考えられた.

参考文献

1) 海渡貴司,細野 昇,坂浦博伸・他:頚髄症患者における10秒テスト.再テスト信頼性.臨整外42:335-338,2007
2) 永井隆士,伊藤 孝:当院検診センターを受診した20歳以上の開眼片脚起立時間の測定.関東整災誌38:228-233,2007
3) 小野啓郎:Myelopathy handと頚髄症の可逆性.別冊整形外科2,10-17,1982
4) 立原久義,菊地臣一,紺野愼一・他:健常者に対する10秒テストの疫学調査.臨整外41:1275-1279,2006
5) 山田 宏,高見正成,筒井俊二・他:頚髄症患者における末梢神経幹電気刺激による10秒テストの変化の特性について.脊髄機能診断学28:101-107,2006
6) 柳澤信夫,柴﨑 宏:神経生理を学ぶ人のために第2版.医学書院,pp58-81,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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