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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻6号

2009年06月発行

文献概要

調査報告

非骨傷性頚髄損傷患者に対する多施設後ろ向き調査

著者: 熊谷玄太郎1 小野睦1 田中大3 澤田利匡3 青木恵4 八重垣誠5 陳俊輔6 木村由佳1 沼沢拓也1 和田簡一郎1 横山徹2 植山和正7 藤哲1

所属機関: 1弘前大学大学院整形外科 2大館市立総合病院整形外科 3西北中央病院整形外科 4八戸市民病院整形外科 5市立函館病院整形外科 6むつ総合病院整形外科 7弘前記念病院整形外科

ページ範囲:P.549 - P.554

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 高齢化に伴って非骨傷性頚髄損傷(頚損)は増加傾向にあるが,その病態,治療に関して一定のコンセンサスは得られていない.われわれは多施設後ろ向き調査により,受傷時の特徴や麻痺に影響を与える因子について検討した.対象は2006年に弘前大学関連病院19施設において非骨傷性頚損で入院治療した78例(男性60例,女性18例)である.受傷時の特徴としては年齢が平均62.6歳と高齢であり,男性に多く発生していた.北国での調査を反映して12月に多く発生し,雪や凍結による転倒・転落が原因として多かった.受傷時に24%(男性の31.7%)の症例が飲酒していた.受傷時麻痺の重症度に影響を与える因子として年齢が高齢であること,予後不良因子として男性と脊髄圧迫率が高いことが統計学的に有意に関係していた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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