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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻6号

2009年06月発行

文献概要

臨床経験

転移性骨腫瘍に対する大腿骨腫瘍用人工骨頭置換術の治療成績

著者: 王谷英達1 濱田健一郎1 田宮大也1 藤本哲穂1 中紀文1 荒木信人1

所属機関: 1大阪府立成人病センター整形外科 2

ページ範囲:P.587 - P.592

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 大腿骨近位部転移性骨腫瘍患者で2000~2007年の間に当院で腫瘍用人工骨頭置換術を施行した14例の手術成績を検討しその適応を考察した.原発巣は乳癌4例,肺癌3例,大腸癌2例,腎癌2例,食道癌1例,胃癌1例,直腸癌1例であった.経過観察中全例で局所再発を認めなかった.1年生存率は64.3%で,術後9例が片松葉杖以上の歩行能を獲得できた.本術式は,症例を選べば大腿骨近位部転移性骨腫瘍で病的骨折を起こした患者や局所制御が困難な患者に有用であり,積極的に考慮すべきと考えられる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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