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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻6号

2009年06月発行

文献概要

症例報告

急性頚部痛で発症し,自然消退した環椎石灰沈着症の1例

著者: 中谷匡登1 中川幸洋1 木岡雅彦1 山田宏1 吉田宗人1

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.615 - P.618

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 急性の頚部痛を来し,保存療法で石灰化の消退をみた環椎石灰沈着症の1例を経験した.症例は61歳の女性で,誘因なく急性頚部痛を発症し当院を受診した.CTで環椎脊柱管内に孤立性の涙痕様の石灰陰影を認めた.NSAIDsの内服のみで症状は軽快し,4カ月後のCTで石灰化は消失した.脊柱管内に石灰化を来す疾患では偽痛風関連疾患の報告が散見されるが,今回のように比較的大きな石灰化巣が孤立性に存在し,自然消失することは稀である.急性頚部痛の鑑別には多くの疾患が挙げられるが,偽痛風関連病態でも生じることを銘記しておく必要がある.

参考文献

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2) Bouvet JP, Le Parc JM, Michalski B, et al:Acute neck pain due to calcifications surrounding the odontoid process:the crowned dens syndrome. Arthritis Rheum 28:1417-1420, 1985
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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