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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻6号

2009年06月発行

文献概要

新薬紹介

下肢整形外科手術施行患者におけるエノキサパリンナトリウムの有用性

著者: 冨士武史1 藤田悟2

所属機関: 1大阪厚生年金病院整形外科 2宝塚第一病院整形外科

ページ範囲:P.619 - P.625

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 エノキサパリンは,アンチトロンビンⅢ(ATⅢ)と複合体を形成し,ATⅢの第Xa因子活性と第Ⅱa因子活性を阻害することにより抗凝固作用を発現する低分子量ヘパリンである.日本人の下肢整形外科手術施行患者の静脈血栓塞栓症予防に対するエノキサパリンの効果を確認するために,ランダム化二重盲検比較試験3試験と単一群非盲検試験1試験を実施し,エノキサパリン20mg 1日2回投与(術後24~36時間に投与開始)の有効性および安全性が示された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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