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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻8号

2009年08月発行

文献概要

誌上シンポジウム 創傷処置に関する最近の進歩

創傷治癒の基礎知識

著者: 夏井睦1

所属機関: 1石岡第一病院傷の治療センター

ページ範囲:P.763 - P.766

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 創面では欠損した組織の細胞の増殖で組織修復が得られるが,その際に重要なことは創面の乾燥を防ぎ湿潤状態を維持することである.さらに消毒薬などの創傷治癒を妨害する薬剤も使用してはならない.消毒薬は蛋白質変性作用で殺菌するが,人体細胞と細菌では細胞壁に守られている細菌のほうが消毒薬に強い抵抗力を持っているためである.さらに創感染のメカニズムから創感染の治療と予防において細菌の除去ではなく感染源の除去が本質であることを説明する.創面からメシチリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が検出される細菌学的・生物学的理由も明らかにする.

参考文献

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2) Colwell RR:培養できない微生物たち―自然環境中での微生物の姿.学会出版センター,2004
3) Elek S D:Experimental staphylococcal infections in the skin of man. Ann Ny Acad Sci USA 65:85-90, 1956
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5) 日本微生物生態学会教育研究部門会編著:微生物生態学入門.日科技連,2004
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8) Zamora J L:Chemical and microbiologic characteristics nad toxicity of povidone-iodine solutions. Am J Surg 151:400, 1986

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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