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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻8号

2009年08月発行

文献概要

誌上シンポジウム 創傷処置に関する最近の進歩

熱傷創の処置

著者: 川上重彦1 山元康徳1 岸邊美幸1

所属機関: 1金沢医科大学形成外科

ページ範囲:P.791 - P.794

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 熱傷の重症度は作用する熱の温度,作用時間,作用範囲で決まり,損傷の深さによってⅠ~Ⅲ度熱傷に大別される.Ⅰ度熱傷では,炎症を治める目的でステロイド含有軟膏を用いる.浅達性Ⅱ度熱傷では,自然上皮化(再生治癒)を阻害しないことが重要で,近年では湿潤環境を維持する創傷被覆材が汎用されている.深達性Ⅱ度熱傷では,創傷治癒を促進する薬剤の併用が有用である.Ⅲ度熱傷では,小範囲であれば抗菌外用剤などによる保存的治療も可能だが,体表面積の1%を超える場合は手術(壊死組織除去と植皮術)が必要となる.

参考文献

1) 川上重彦:外来での小範囲熱傷の治療.pp250-258(木所昭夫:熱傷治療マニュアル,中外医学社,東京,2007)
2) 岸邊美幸,川上重彦,野﨑幹弘:Ⅱ度熱傷創に対するカルボキシメチルセルロースナトリウム(アクアセル)の臨床効果.熱傷32:249-257,2006
)の検討.熱傷32:19-25,2006
4) 塚田貞夫,安田幸雄,川上重彦・他:創傷治癒と新しい被覆材“アルギン酸カルシウム”創傷被覆材アルゴダーム.の各種創傷における臨床効果.Progress in Medicine 14:2356-2371,1994
5) 山元康徳,岸邊美幸,川上重彦:小児熱傷と創傷被覆材.PEPARS 25:19-28,2009
6) 吉田哲憲:抗菌薬.pp257-265(木所昭夫:熱傷治療マニュアル,中外医学社,東京,2007)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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