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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻8号

2009年08月発行

文献概要

臨床経験

脊椎硬膜外膿瘍―単独に発症した硬膜外膿瘍と化膿性脊椎炎に併発した硬膜外膿瘍の比較

著者: 杉田誠1 武井寛1 寒河江正明2 橋本淳一1 長谷川浩士3 荻野利彦1

所属機関: 1山形大学医学部整形外科 2寒河江市立病院整形外科 3山形県立中央病院整形外科

ページ範囲:P.845 - P.849

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 脊椎硬膜外膿瘍と診断された31例を,単独に発症した硬膜外膿瘍(単独群)と化膿性脊椎炎に併発した硬膜外膿瘍(併発群)に分け比較検討した.患者背景,初発症状,血液検査所見は両群に差がなかった.単独群では併発群に比べて麻痺の発生率が有意に高く,症状を自覚してから麻痺が発症するまでの期間が短い傾向にあり,さらには全例に手術治療が必要であった.単独群では病期に関わらず手術治療を選択してもよいと考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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