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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻9号

2009年09月発行

文献概要

誌上シンポジウム 高齢者骨折と転倒予防

転倒による高齢者骨折術後の健康寿命―高齢者大腿骨近位部骨折の追跡調査をもとに

著者: 市村和徳1

所属機関: 1西能病院整形外科

ページ範囲:P.899 - P.902

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 65歳以上の大腿骨近位部骨折の予後を分析した.Kaplan-Meier法による累積生存率は,5年目で50%,10年目で18%であった.期待生存率に比べ,術後1年目の低下が著しく,さらに,1年目以降もより急峻な低下を示していた.自宅退院群では,施設・病院転院群に比べ,生命予後は良好であったが,それでも期待生存率と比較すると,術後5年目以降の低下が著しかった.5年以上生存した227例で,歩行能の維持,自宅生活の維持を検討した.5年目で歩行能を維持していたのは57%,5年目で自宅生活を維持していたのは51%であった.

参考文献

1) 中馬 敦,原田義忠,飯田 哲・他:80歳以上の大腿骨頚部,転子部骨折手術例の生命予後.Hip Joint 35:2009(投稿中)
2) 市村和徳:16年間の高齢者大腿骨近位部骨折の分析.骨折26:476-479,2004
3) 市村和徳:転倒による高齢者四肢骨折の生命予後―上腕骨近位部骨折,橈骨遠位端骨折,大腿骨近位部骨折の分析.骨・関節・靱帯19:55-60,2006
4) 石田洋一郎,田口敏彦:超高齢者大腿骨近位部骨折の機能予後と生命予後の検討―大腿骨近位部骨折の死亡リスク増加は8年間続く.日整会誌82:S10,2008
5) 木村博光,五十嵐三都男,林 泰夫・他:高齢者の大腿骨頚部骨折の長期成績と余命.整形外科32:1156-1162,1981
6) 小池淳夫,田代節春:コホート生存率表.厚生の指標23:14-15,1976
7) 松林孝王,井上哲郎,串田一博・他:大腿骨頸部骨折患者の生命予後について.整・災外33:1387-1391,1990
8) 中野哲雄,渡部欣忍,澤口 毅・他:大腿骨近位部骨折後の自立喪失に影響する予知因子―PartⅡ:屋内活動が自立していた109名の多施設前向きコホート研究.日整会誌82:S103,2008
9) 渡部欣忍,中野哲雄,澤口 毅・他:大腿骨近位部骨折後の自立喪失に影響する予知因子―屋外活動が自立していた387名の多施設前向きコホート研究.日整会誌82:S102,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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