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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻9号

2009年09月発行

文献概要

症例報告

大腸癌転移による両大腿骨近位部病的骨折に対して髄内釘により骨接合術を施行した1例

著者: 阿部幸喜1 三束武司1 山下桂志1 山岡昭義1 小笠原猛2

所属機関: 1社会保険船橋中央病院整形外科 2社会保険船橋中央病院外科

ページ範囲:P.957 - P.961

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 症例は再発大腸癌多発骨転移の48歳の女性で,化学療法を施行中であったが,転倒し両大腿骨近位部病的骨折を受傷した.髄内釘による両側同時骨接合術により,車椅子での生活を再獲得し得た.術後約半年で骨癒合を認めたが,大腿骨遠位への転移は認めなかった.化学療法の進歩で大腸癌の生命予後が改善しているため,大腸癌骨転移例の手術適応は拡大するものと思われた.また,大腸癌骨転移の病的骨折において,髄内釘と化学療法により骨癒合が得られる可能性が示唆された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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