icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻1号

2010年01月発行

文献概要

論述

運動器に関する疫学調査―南会津スタディ第6報:下肢深部反射の疫学的検討

著者: 二階堂琢也1 菊地臣一1 矢吹省司1 大谷晃司1 五十嵐環1 恩田啓1 山内一矢1 竹谷内克彰1 高橋一朗1 立原久義1 高山文治1 渡辺和之1 紺野愼一1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部整形外科

ページ範囲:P.43 - P.49

文献購入ページに移動
 高齢者で下肢深部反射の低下や消失,あるいは左右差が認められる場合には,それが病的意義をもつのか,加齢による変化なのかについての判断が困難な場合がある.本報告では,下肢深部反射の左右差と加齢による変化に着目して,調査した.対象は,同年代の人口の20.3%にあたる地域住民1,750名である(最多年代層は70歳代).本調査により,下肢症状の既往がなく,腰仙椎部神経障害の既往の可能性が低い症例でも,膝蓋腱反射は5.3%,アキレス腱反射は8.9%の頻度で左右差が認められ,その頻度は,50歳代を境に増加することが明らかとなった.

参考文献

1) Alvarez G, Idiaquez J:Differences in postural hypotension and ankle jerks in the elderly from two contrasting socio-economic levels. Clin Auton Res 1:243-244, 1991
2) Bowditch MG, Sanderson P, Livesey JP:The significance of an absent ankle reflex. J Bone Joint Surg Br 78:276-279, 1995
3) Critchley M:The neurology of old age. Lancet 1:1221, 1931
4) 廣島和夫:整形外科からみた老人の麻痺性疾患.日医新報3273:6-11,1987
5) Howell HB:Senile deterioration of the central nervous system. Br Med J 1:56, 1949
6) Impallomeni M, Kenny RA, Flynn MD:The elderly and their ankle jerks. Lancet 325:670-672, 1984
7) 加瀬正夫:腱反射の臨床的研究.精神誌51:66-75,1950
8) 見松健太郎:腱反射の定量化について―Achilles腱反射についての研究.日整会誌53:457-470,1979
9) 紺野慎一,菊地臣一:高齢者における下肢深部反射―疫学的検討.整形外科41:827-831,1990
10) 大森義昭:原爆被害者におけるアキレス腱反射と加齢,広島.広島医学25:1079-1092,1972
11) 大谷晃司,菊地臣一,紺野慎一・他:運動器に関する疫学調査.南会津スタディ.第1報.腰部脊柱管狭窄の頻度と腰痛関連QOLとの関係(横断研究).臨整外43:789-796,2008
12) 大谷晃司,菊地臣一,紺野慎一・他:運動器に関する疫学調査.南会津スタディ.第2報.腰部脊柱管狭窄と健康関連QOLとの関係(横断研究).臨整外43:883-888,2008
13) 大谷晃司,菊地臣一,紺野慎一・他:運動器に関する疫学調査.南会津スタディ.第3報.Roland-Morris Disability Questionnaire日本語版を用いた腰痛による日常生活への支障度の検討.臨整外44:49-54,2009
14) Stam J, Speelman HD, van Crevel H:Tendon reflex asymmetry by voluntary mental effort in healthy subjects. Arch Neurol 46:70-73, 1989
15) 東儀英夫:正常者腓腹神経の年齢変化に関する計測的研究.臨床神経12:484-494,1972

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら