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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻1号

2010年01月発行

文献概要

検査法

腰下肢痛の鑑別診断における坐骨神経ブロックの有用性と限界―梨状筋症候群の診断に主眼を置いて

著者: 尾鷲和也1 原田幹生1 内海秀明1 菅原裕史1 尾山かおり1 武居功1

所属機関: 1日本海総合病院酒田医療センター整形外科

ページ範囲:P.51 - P.57

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 腰下肢痛患者で,臨床所見と腰椎MRI所見が典型的に一致せず梨状筋症候群(PS)が否定できない188例に対して坐骨神経ブロック(SNB)を行った.効果を著効,有効,無効に分け,最終診断を有効度別に調査し,またPSに対する梨状筋切除術と腰椎疾患除圧術後に症状改善が得られた各群における術前のSNB効果を評価した.最終診断はPS(疑い含む)が56%,腰椎疾患23%で,SNB著効中PS(疑い含む)は81%であった.SNBはPS手術有効群で100%の有効性を示したが,腰椎手術有効群の66%にも有効性があり,PSの確定診断法とは言えなかった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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