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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻1号

2010年01月発行

文献概要

器械

大転子先端から挿入する新しい大腿骨用円筒型髄内釘Madonna

著者: 糸満盛憲1 内野正隆1 中村光伸1 山谷健治2

所属機関: 1北里大学医学部整形外科 2瑞穂医科工業株式会社開発部

ページ範囲:P.59 - P.67

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 高窒素ステンレス鋼を用いた新しい大腿骨用髄内釘“Madonna釘”を開発した.その曲げ強度は従来のSUS316Lステンレス鋼の約40%高いため,より細い髄内釘の使用が可能となり,骨損傷を最小限にすることができる.また早期の荷重歩行を許可することや,日常生活を営みながら生物学的骨癒合を待つことが可能となり,fracture disease(骨折病)の予防が期待できる.釘の近位部を8°外反位とすることによって,大転子の先端から挿入することが可能となった.これによって従来の梨状筋窩から挿入する際に危惧される後被膜動脈損傷の危険がなくなった.さらに137°の頚体角で骨頭にラグスクリューを挿入することによって転子部骨折,転子下骨折の固定にも使用可能である.

参考文献

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2) 糸満盛憲,山本 真,真角昭吾・他:髄内釘と螺子横止め法による長管骨骨折の治療成績.日災医会誌27:567-573,1979
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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