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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻1号

2010年01月発行

文献概要

症例報告

手根骨尺側長軸脱臼の1例

著者: 大歳憲一1 菊地臣一1 伊藤恵康2 古島弘三2 紺野愼一1

所属機関: 1公立大学法人福島県立医科大学整形外科 2慶友整形外科病院

ページ範囲:P.93 - P.97

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 手の圧挫による手根骨尺側長軸脱臼の1例を経験した.症例は,18歳の男性である.作業中に右手をプレス機にはさみ受傷した.手指は中指-環指間で離開し,環指と小指は回内位をとっていた.明らかな神経脱落所見は認められなかった.画像所見では,手根骨は有頭骨-有鉤骨間で離開しており,有鉤骨が掌側へ回内転位していた.手根骨尺側長軸脱臼と診断して,有頭骨-有鉤骨固定術を施行した.術後経過は良好で,術後3カ月で現職に復帰した.本損傷は極めて稀な外傷であるが,良好な機能的予後を獲得するためには早期の適切な診断と治療が重要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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