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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻10号

2010年10月発行

文献概要

手術手技/私のくふう

稀なL5-S1椎間孔部狭窄の両側発生例に対して一対の脊椎内視鏡による同時手術

著者: 前田孝浩1 山田宏1 河合将紀1 筒井俊二1 吉田宗人1

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.933 - P.936

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 症例は82歳の男性で,腰部脊柱管狭窄症に対して多椎間の椎弓切除術を受けた既往がある.術後3年が経過した頃から両下肢痛と間欠跛行の再発を自覚するようになった.MRIで脊柱管内病変は認めなかったため,椎間孔部狭窄の関与を疑い3次元MRIを施行した結果,L5-S1高位の右椎間孔外狭窄,左椎間孔内狭窄病変を同定した.本症例は高齢であるうえに,高度の心血管病変を抱えるpoor riskの症例であったため,手術侵襲を可能な限り低減することを意図して一対の脊椎内視鏡による両側同時手術を考案した.実際の手術では,最も危惧された術者間の干渉による手術操作のトラブルはなく,円滑に神経除圧を完了できた.また,周術期合併症も発生せず,手術リスクを無事回避することができた.

参考文献

1) 安藤宗治,川上 守,橋爪 洋・他:感覚神経活動電位を利用した腰椎椎間孔部狭窄症の診断の有用性と限界.末梢神経17:58-66,2006
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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