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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻12号

2010年12月発行

文献概要

誌上シンポジウム 小児の肩関節疾患

学童の非外傷性肩関節不安定症

著者: 黒田重史1

所属機関: 1松戸整形外科病院

ページ範囲:P.1095 - P.1098

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 動揺性肩関節,随意性肩関節脱臼,習慣性肩関節脱臼および持続性肩関節脱臼は互いに移行しうる病態であり,非外傷性肩関節不安定症と総称される.肩の愁訴で来院する12歳以下の学童の20.7%が非外傷性不安定症であった.肩関節不安定性は流動的に変化しており,病態変化には至らない不安定性の変化6%,病態変化20%,自然治癒14%,計40%に不安定性の変化がみられた.発症年齢が低いほど自然治癒率は高いが,オーバーヘッドスポーツは自然治癒を阻害する.姿勢矯正と理学療法が有効で96.3%で症状改善が得られた.

参考文献

1) 遠藤寿男,瀧川 昊,高田広一郎・他:Sog.Schulterschlottergelenkの診断と治療法の経験.中部整災誌14:630-632,1971
2) 遠藤寿男:動揺性肩関節の無処理例について.関節外科10:433-442,1991
3) 伊藤信之:動揺肩の自然経過.関節外科8:1340-1355,1989
4) 黒田重史:非外傷性肩関節不安定症の自然経過および推定自然治癒率.整形,災害外科37:971-977,1994
5) 黒田重史,住吉徹是,斉井政憲・他:肩関節多方向不安定症の発症と自然治癒に関する考察.肩関節21:449-152,1997
6) 黒田重史:非外傷性肩関節不安定症.保存療法の限界.信原克哉(編).プラクティカルマニュアル肩疾患保存療法.金原出版,東京,p99-104,1997
7) 黒田重史:動揺性肩関節.寺山和雄・他(監修).三笠元彦(編).肩の痛み.南江堂,東京,p134-148,1998
8) Kuroda S, Sumiyoshi T, Moriishi J, et al:The natural course of atraumatic shoulder instability. J Shoulder Elbow Surg 10:100-104, 2001
9) 黒田重史:非外傷性肩関節不安定症.日整会誌79:48-53,2005
10) 信原克哉:肩―その機能と臨床,第2版.医学書院,東京,p190-210,1987

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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