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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻12号

2010年12月発行

文献概要

最新基礎科学/知っておきたい

腰椎椎間板再生遺伝子の発見

著者: 津留美智代1 永田見生1

所属機関: 1久留米大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1128 - P.1132

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■はじめに

 ヒトは約700万年前,直立二足交互歩行(バイペダリズム)を獲得し,行動範囲を広げ,空いた手で,物を掴むことができる曲がる指を獲得した.その指で道具を使い,道具を作る歴史が始まり,大脳が発達する.大きな犬歯は戦いのためにもっていたとされ,植物の根や茎,果物を食べるために,臼歯やエナメル質が厚くなり,犬歯は退化してゆく.ヒトは,脊柱の上に重くなった頭骨を効率よく真下から支持するように大後頭孔が前方に移動し,脊柱S字状カーブでバランスをとり,強大な筋肉を使わずに立つことができるようになる.ゴリラやチンパンジーも二足で立つが,膝を伸ばすと下肢を動かすことができないため,歩く時は膝を曲げ,全体重を交互に下肢にかける.そして,ヒトは農耕作業を開始し(図1),腰椎部分への屈曲作業などの物理的負荷のために,腰痛を発症するようになったと考えられる.

 われわれは,変性した椎間板を再建することで腰痛をなくす治療方法を考えた.全椎間板組織の遺伝子解析を行ったところ,椎間板組織は頚椎,胸椎,腰椎それぞれに特徴があり,かつ,それぞれの椎間板にも違いがみられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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