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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻5号

2010年05月発行

文献概要

誌上シンポジウム 整形外科医の未来像―多様化したニーズへの対応

整形外科専門医の未来像

著者: 秋山典彦1

所属機関: 1川崎協同病院

ページ範囲:P.419 - P.423

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 整形外科医の未来像にとって,あるべき専門医像の検討は重要であり,これは整形外科だけでなく日本の医療全体の問題である.現在の医療にとって病院勤務医離職の増加は深刻であり,この背景には勤務医の過重労働だけでなく,専門性を生かせる職場が少ないことがある.専門医制度は患者-医師の信頼関係にとって診療技術の担保として必要であり,制度の確立には市場原理に基づく患者-医師関係の再検討,医師のプロフェッショナリズムの確立,医療供給システムの抜本的改革が課題であり,制度の構築は学会が責任ある専門家集団として,段階的に進めるべきである.専門医制度には総合医の育成・充実が不可欠であり,国民に混乱を生じている自由に診療科名を標榜できる現行制度も再検討すべきである.

参考文献

1) 池上直己:ベーシック医療問題.第3版,日経文庫,日本経済新聞出版社,2006
2) 厚生労働省大臣官房統計情報部:医師・歯科医師・薬剤師調査の概況 2006,2004
3) 永山政雄,前田賢司,浅野嘉延・他:米欧合同医師憲章と医のプロフェッショナリズム―日本版内科専門医憲章策定をめざすプロジェクトの成果.内科専門医会誌18:45-57,2006
4) 南 和友:こんな医療でいいですか?―日本で行われている医療ドイツで行われている医療.はる書房,東京,2007
5) 森 臨太郎:イギリスの医療は問いかける―「良きバランス」へ向けた戦略.医学書院,東京,2008
6) 岡嶋道夫:ドイツの医療制度について―透明性の高い理想的な保健医療制度 http://www.hi-ho.ne.jp/okajimamic/d401.pdf.1998
7) 宇沢弘文:社会的共通資本.岩波書店,東京,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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