icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻6号

2010年06月発行

文献概要

誌上シンポジウム 整形外科領域における抗菌薬の使い方

筋骨格系結核―診断と治療

著者: 藤田正樹1 新納伸彦2

所属機関: 1札幌逓信病院整形外科 2独立行政法人国立病院機構北海道医療センター整形外科

ページ範囲:P.515 - P.519

文献購入ページに移動
 筋骨格系結核患者数は強力な抗結核薬の出現により急速に減少している.したがって治療の機会が減少し,doctor's delayの症例が多くなっている.脊椎カリエスも骨関節結核も症状は急速には進行せず,疼痛も初めは軽度で変性疾患などとの鑑別が困難である.画像所見からの鑑別診断も可能ではあるが,確定診断は病巣からの菌検出か病理所見に頼らざるを得ない.診断が確定した後抗結核薬を少なくとも3剤以上を投与し,一定期間副作用の出現の有無を確認する.手術を選択したならば術後の抗結核薬の投与は必須である.術式により術後の投与期間は多少異なるが12~18カ月が適当と思われる.

参考文献

1) 藤田正樹:筋骨格系結核,262-267(冨岡洋海 編集:結核 第4版,医学書院,東京,2006)
2) 藤田正樹,斉藤正史,新納伸彦・他:最近の脊椎カリエスについて.臨整外38:293-300,2003
3) Griffith JF, Kumta SM, Leung PC, et al:Imaging of musculoskeletal tuberculosis:A new look at an old disease. Clin Orthop 398:32-39, 2002
4) Ito M, Sudo H, Abumi, et al:Minimally invasive surgical treatment for tuberculous spondylodiscitis. Minim Invas Neurosurg 52:250-253, 2009
5) Moon MS, Moon YW, Moon JL, et al:Conservative treatment of tuberculosis of the lumbar and lumbo-sacral spine. Clin Orthop 398:40-49, 2002
6) Sawlani V, Chandra T, Misshra RN, et al:MRI features of tuberculosis of peripheral joints. Clin Radiol 58:755-762, 2003
7) 下方 薫:結核の化学療法,59-66(冨岡洋海 編集:結核 第4版,医学書院,東京,2006)
8) Tuli SM:General principles of osteoarticular tuberculosis. Clin Orthop 398:11-19, 2002
9) Vuyst DD, Vanhoenacker F, Gielen J, et al:Imaging features of musculoskeletal tuberculosis. Eur Radiol 13:1809-1819, 2003
10) 財団法人結核予防会編集:結核の統計2009―STATISTICS OF TB 2009,東京,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら