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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻7号

2010年07月発行

文献概要

症例報告

手指以外の部位に発生したグロムス腫瘍の2例

著者: 今村仁1 岩本卓士2 望月猛3 西本和正4 白旗敏克1

所属機関: 1千葉西総合病院整形外科 2東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター整形外科 3鎌ヶ谷総合病院整形外科 4慶應義塾大学整形外科

ページ範囲:P.637 - P.641

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 前腕および下腿に発生し,診断に難渋したグロムス腫瘍2例を経験したので報告する.症例1は41歳の男性で,4年前から右前腕に自発痛を自覚し,前医を受診したが確定診断には至らなかった.当科を受診し軟部腫瘍の診断で腫瘍切除術を施行した.症例2は37歳の男性で,約6カ月前から下腿に痛みを伴う小腫瘤を自覚したため,当科を受診した.軟部腫瘍の診断で腫瘍切除術を施行した.両症例の病理診断はグロムス腫瘍であった.術後症状は消失し良好な経過が得られている.爪下以外に発生したグロムス腫瘍は術前診断が困難であり,しばしば治療が遅れることがある.自発痛・圧痛を伴う小腫瘤の鑑別診断としてグロムス腫瘍を考慮することが重要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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