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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻7号

2010年07月発行

文献概要

症例報告

脊髄腫瘍と鑑別を要したアトピー性脊髄炎の1例

著者: 寺下浩平1 南出晃人1 吉田宗人1 村田顕也2 近藤智善2

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科学教室 2和歌山県立医科大学神経内科学教室

ページ範囲:P.665 - P.669

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 症例は26歳の女性で,主訴は両上肢の感覚障害,巧緻運動障害,排尿障害であった.画像上,脊髄腫瘍に加え脊髄炎,脊髄変性疾患なども疑われ神経内科医より紹介された.検査で高IgE血症,ダニ,ハウスダストのアレルゲン特異性IgE抗体の高値を認め,アトピー性脊髄炎が疑われた.そのためステロイド療法が開始され,症状,画像の改善を認めた.このように脊髄内病変で診断に難渋する場合,神経内科医と連携するとともに,ステロイド投与での経過観察が診断の一助となることがある.

参考文献

1) 松井和隆:脊髄髄内腫瘍と鑑別すべき疾患.脊椎脊髄16:647-655,2003
2) 三井公彦:髄内腫瘍.pp346-358〔伊藤達雄,服部孝道,山浦 晶(編):臨床脊椎脊髄医学,三輪書店,東京,1996〕
3) 中村雅也,千葉一裕,戸山芳昭:MRIによる脊髄腫瘍の診断.J MIOS 27:74-81,2003
4) 小副川学:アトピー性脊髄炎.日本臨牀63:125-130,2005
5) 柳下 章:多発性硬化症.脊椎脊髄14:444-447,2001
6) 吉良潤一:アレルギー性疾患に伴う中枢神経障害.アレルギー55:1504-1508,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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