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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻8号

2010年08月発行

文献概要

誌上シンポジウム 四肢のしびれ感

圧迫性脊椎脊髄疾患や四肢切断術後の遺残性しびれの治療

著者: 大谷晃司1 菊地臣一1 紺野愼一1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部整形外科

ページ範囲:P.689 - P.693

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 しびれの治療戦略を考えるうえで,病態に即した治療法を選択することが重要である.特に何らかの刺激がなくてもビリビリするような異常感覚を主体とする“しびれ”は,痛みの実験モデルで考えると,炎症性疼痛や神経因性疼痛の特徴と重なると思われる.一方,“しびれ”を扱ううえで,留意しなければならない点は,しびれ自体,しびれに伴う機能障害,あるいはしびれの治療に対する満足度の判定や判断は,患者自身にゆだねられていることである.すなわち,しびれに関する訴えには,身体の解剖学的異常に伴う障害である身体的因子以外が関与する可能性があることを忘れてはならない.

参考文献

1) 園生雅弘:“しびれの診療”.日本医事新報No.4265.89,2006
2) 加藤欽志,菊地臣一,紺野慎一・他:腰部脊柱管狭窄に伴う自覚症状.術前後での変化.前向き研究.臨整外42:1007-1011,2007
3) Maleki J, LeBel AA, Bennett GJ, et al:Patterns of spread in complex regional pain syndrome, type I (reflex sympathetic dystrophy). Pain 88:259-66, 2000
4) 荻野 裕:神経内科疾患としびれ.二見俊郎(編).知っておきたいしびれの対処法.真興交易医書出版部,東京,p24,2000
5) 表 圭一:疼痛機序についての概説.並木昭義,表 圭一(編).麻酔科医と基礎研究 疼痛と鎮痛.南江堂,東京,p2,2000
6) 佐藤勝彦,菊地臣一,増子博文・他:脊椎・脊髄疾患に対するリエゾン精神医学的アプローチ(第1報)―脊椎退行性疾患の身体症状に影響する精神医学的問題の検討.臨整外34:1499-1502,1999
7) 佐藤勝彦:慢性腰痛に対するリエゾン精神医学的アプローチ.脊椎脊髄16:849-855,2005
8) 田子久夫:痛みを精神医学からとらえる治療―リエゾンアプローチ.ペインクリニック28(別冊秋号):S523-S532,2007
9) 渡辺和之,菊地臣一,紺野愼一・他:整形外科患者に対する精神医学的問題評価のための簡易質問票(BS-POP).妥当性の検討.臨整外40:745-751,2005
10) 横田敏勝:臨床医のための痛みのメカニズム.南江堂,東京,p1,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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