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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻8号

2010年08月発行

文献概要

誌上シンポジウム 四肢のしびれ感

整形外科とリエゾン精神医学

著者: 増子博文1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部神経精神医学講座

ページ範囲:P.715 - P.718

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 四肢のしびれ感と関連して,心因性の慢性疼痛(身体表現性障害)について精神科医の立場から述べた.心因性の慢性疼痛は頻度が多いこと,自覚的苦痛が強いこと,職業や社会生活が著しく障害されること,鎮痛薬の使用が症状を悪化させること,などが臨床的に重要である.症例として,10年間にわたり8回の手術を受けたが疼痛が改善せず,リエゾン精神医学的治療により回復した自験例を提示した.また,整形外科領域の心因性の慢性疼痛を疑うための質問票(BS-POP)を紹介した.

参考文献

1) 米国精神医学会(編),高橋三郎,大野 裕,染矢俊幸(訳):DSM-Ⅳ-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,東京,pp479-484,2002
2) 笠原 諭,増子博文,丹羽真一:整形外科とのリエゾン精神医学:慢性疼痛と発達障害.心療内科12:422-429,2008
3) 丸田俊彦:疼痛性障害.吉松和哉,上島国利(編):臨床精神医学講座第6巻,身体表現性障害・心身症.中山書店,東京,pp175-184,1999
4) 佐藤勝彦,菊地臣一,増子博文・他:脊椎・脊髄疾患に対するリエゾン精神医学的アプローチ(第1報)―脊椎退行性疾患の身体症状に影響する精神医学的問題の検討.臨整外34:1499-1502,1999
5) 佐藤勝彦,菊地臣一,増子博文・他:脊椎・脊髄疾患に対するリエゾン精神医学的アプローチ(第2報)―整形外科患者に対する精神医学的問題評価のための簡易質問票(BS-POP)の作成.臨整外35:843-852,2000
6) 佐藤勝彦,菊地臣一,大谷晃司・他:脊椎・脊髄疾患に対するリエゾン精神医学的アプローチ(第3報).腰仙椎部退行性疾患に対する手術成績に関与する精神医学的問題の検討.臨整外39:1145-1150,2004
7) 佐藤勝彦,菊地臣一,丹羽真一・他:心理的評価からみた慢性腰痛に対する抗うつ薬の有効性と問題点.臨整外39:1421-1425,2004
8) 世界保健機関,精神保健部(編),融 道男・他(訳):ICD-10精神および行動の障害.医学書院,東京,pp176-177,1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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