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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻8号

2010年08月発行

文献概要

症例報告

頚胸移行部に発生した黄色靱帯内血腫の1例

著者: 熊谷玄太郎1 小野睦1 沼沢拓也1 和田簡一郎1 藤哲1

所属機関: 1弘前大学大学院医学研究科整形外科学講座

ページ範囲:P.761 - P.764

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 頚胸椎移行部に発生した黄色靱帯内血腫によって対麻痺を来し,椎弓切除および黄色靱帯および血腫除去術を行った1例を経験した.症例は62歳の男性で,近医で温熱療法中に突然の背部痛を自覚した.高血圧も認めたため,近医に経過観察入院した.翌日から歩行困難が出現したため,3日後に当科を紹介され受診した.徒手筋力テスト(MMT)[2]~[4]と両下肢の筋力低下が進行したため,発症から5日目に当科入院となった.入院翌日から,さらに両下肢麻痺がMMT[1]~[2]と進行した.脊髄造影,頚胸移行部のMRIで急性硬膜外血腫と診断された.同日C7-Th2椎弓切除で黄色靱帯および血腫除去術を行った.術後翌日から両下肢筋力が回復し,術後1年で杖歩行が可能となった.

参考文献

1) Chen HC, Hsu PW, Lin CY, et al:Symptomatic hematoma of cervical ligamentum flavum. Spine 30:E489-E491, 2005
2) 菅 信一:脊髄出血のMR診断.脊椎脊髄3:753-759,1990
3) 宮本 力,小無田要,川田英人・他:黄色【靱靭】帯内血腫による両下肢不全麻痺の1例.整形外科と災害外科49:453-457,2000
4) Sweasey TA, Coester HC, Rawal H, et al:Ligamentum flavum hematoma. Report of two cases. J Neurosurg 76:534-537, 1992
5) 高見正成,山田 宏,窪田誠治・他:第XI凝固因子欠乏症を伴った腰椎黄色靱帯内血腫の1例.脊椎脊髄20:945-948,2007
6) 田  偉,原田征行,植山和正・他:腰椎部の黄色靱帯内血腫の1例.臨整外30:665-668,1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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