icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻9号

2010年09月発行

文献概要

誌上シンポジウム 軟骨再生―基礎と臨床

骨軟骨柱移植による治療

著者: 中川泰彰1 向井章悟1 小林雅彦2 中村伸一郎2 中村孝志2

所属機関: 1国立病院機構京都医療センター整形外科 2京都大学整形外科

ページ範囲:P.807 - P.811

文献購入ページに移動
 自家骨軟骨移植術を行って13年経過し,今までに262例276関節を経験している.現在の手術適応および明らかになったことを記載する.手術のポイントとしては,病巣部が広範囲であれば,移植プラグ間のすき間を3mm程度あけて移植する.骨軟骨プラグの小範囲の陥凹は問題なく,逆に,突出は避けるべきである.現時点では脛骨側軟骨下骨露出を無処置として大腿骨側のみ骨軟骨移植術を行う術式も選択されてよい.臨床成績として,肘離断性骨軟骨炎の5年以上の成績,変形性膝関節症や骨壊死などの大腿脛骨角やMRIによる評価,再鏡視時の軟骨硬度および成績不良例について概説した.

参考文献

1) 小林雅彦,中川泰彰,中村伸一郎・他:大腿骨内顆軟骨病変への骨軟骨移植術後のアライメント変化.中部整災誌53:191,2010
2) 向井章悟,中川泰彰,池永 稔・他:脛骨高位骨切り術は大腿骨内顆骨壊死に対するmosaicplastyのplug内部の緯度変化に影響する.日整会誌84:S619,2010
3) Nakagawa Y, Suzuki T, Kuroki H, et al:The effect of surface incongruity of grafted plugs in osteochondral grafting:a repport of 5 cases. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc 15:591-596, 2007
4) 中川泰彰,森 浩二,小林雅彦・他:骨軟骨移植術再鏡視時の関節軟骨の力学的特性.関節鏡32:132,2007
5) 中川泰彰,小林雅彦,中村伸一郎・他:脛骨側軟骨下骨露出例を無処置とした骨軟骨移植術の治療成績.膝33:48-50,2008
6) 中川泰彰,後藤匡志,瀬戸口芳正・他:肘関節離断性骨軟骨炎に対する骨軟骨移植術の治療成績.整形外科59:1545-1550,2008
7) 中川泰彰,松末吉隆,小林雅彦・他:膝骨壊死に対する骨軟骨移植術の中期成績.日整会誌84:S598,2010
8) 中川泰彰,小林雅彦,中村伸一郎・他:自家骨軟骨移植術の有用性とその限界.日整会誌84:2010(印刷中)
9) 中村伸一郎,小林雅彦,中川泰彰・他:特発性大腿骨内顆骨壊死症に対する骨軟骨移植術の成績.日整会誌83:S62,2009
10) Okamoto Y, Nakagawa Y, Maekawa M, et al:Osteochondral grafting for massive chondral defect of the ACL deficit knee in a young adult. Arthroscopy 23:1024, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら