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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻9号

2010年09月発行

文献概要

調査報告

一般住民における肩こりの疫学

著者: 高澤英嗣1 山本敦史1 大沢敏久2 小林勉1 飯塚伯1 佐藤直樹1 佐藤貴久1 西野目昌宏1 米本由木夫1 高岸憲二1

所属機関: 1群馬大学大学院整形外科 2国立病院機構高崎総合医療センター整形外科

ページ範囲:P.821 - P.825

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 一般住民における肩こりの疫学を調査し,その特徴およびQOLに与える影響を検討した.対象525人を肩こりあり群と肩こりなし群の2群に分け,年齢,性別,内科的合併症,他の疼痛部位,EuroQol(EQ-5D)について比較検討した.肩こりは51.0%に存在し,年齢に伴い頻度が低下していた.肩こりあり群は年齢が若く,女性の割合が多かった.また,肩・手関節といった上肢痛に加えて腰背部痛の合併が多く,QOLが低下している例が多かった.しかし,内科的疾患の合併に関しては,両群間で有意な差は認めなかった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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