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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科45巻9号

2010年09月発行

文献概要

臨床経験

頚部神経根症におけるmyelopathy hand

著者: 細野昇1 向井克容1 坂浦博伸2 牧野孝洋3 武中章太1 三輪俊格2 冨士武史1

所属機関: 1大阪厚生年金病院整形外科 2関西労災病院整形外科 3国立病院機構大阪南医療センターリハビリテーション科

ページ範囲:P.843 - P.847

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 いわゆるmyelopathy handは頚髄症に特徴的な手指麻痺とされているが,神経根症には認められないのであろうか.頚部神経根症を呈する30例(C4,C5;各3例,C6;15例,C7;9例)に最大努力での握り開き運動を左右別に行わせて15秒間録画し,この動画を3人が評価し解析した.C7根症において疼痛側の握り開き回数は非疼痛側より有意に少なかった.またC6根症疼痛側においては各指が同調して動かず,乱れが生じていた.従来,頚髄症に特異的とされてきたmyelopathy handの一部の症候は神経根症にも認められる.

参考文献

1) 細野 昇,坂浦博伸,向井克容・他:動画記録15秒テスト―頚髄症定量評価の試み.臨整外41:955-961,2006
2) 細野 昇,坂浦博伸,向井克容・他:Myelopathy handの病態―動画記録15秒テストを用いた観察.臨整外42:115-122,2007
3) Hosono N, Sakaura H, Mukai Y, et al:A simple performance test for quantifying the severity of cervical myelopathy. J Bone Joint Surg Br 90:1210-1213, 2008
4) Hosono N, Makino T, Sakaura H, et al:Myelopathy hand:new evidence of the classical sign. Spine 35:E273-E277, 2010
5) Kandori A, Miyashita T, Hosono N, et al:Motion analysis of grip and release with fingers using simple magnetic detection system. Rev Sci Instrum 78:034302:1-6, 2007
6) 小野啓郎,冨士武史,岡田孝三・他:Myelopathy handと頚髄症の可逆性.小野村敏信(編).頚椎外科の進歩.別冊整形外科No.2,南江堂,東京,pp10-17,1982
7) Ono K, Ebara S, Fuji T, et al:Myelopathy hand:New clinical signs of cervical cord damage. J Bone Joint Surg Br 69:215-219, 1987

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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