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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科46巻10号

2011年10月発行

文献概要

症例報告

大腿神経麻痺を合併した股関節ガングリオンの1例

著者: 田中智史1 三矢聡1 水野正昇1 山田知史1 山賀篤1 宮本健太郎1 宮津優1

所属機関: 1市立四日市病院整形外科

ページ範囲:P.971 - P.974

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 症例は69歳の女性である.右大腿に疼痛が出現し,右下肢筋力低下を来した.MRIで右股関節前方にT1強調で低信号,T2強調で高信号の内部均一な腫瘤を認め,これが大腿神経を圧迫していると考え,摘出術を行った.術後,右大腿の痛みと筋力低下は軽快し,病理検査でガングリオンと診断された.股関節ガングリオンは非常に稀であり,さらに大腿神経麻痺を合併していた.股関節ガングリオンの治療は経過観察,穿刺吸引,摘出術があるが,本症例のように筋力低下を来す場合,摘出術による根治的治療が有用であると考える.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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