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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科46巻11号

2011年11月発行

文献概要

調査報告

脊柱側弯症学校検診で発見された側弯症の自然経過

著者: 檜山建宇1 加藤俊明1 今井重信1 武内鉄夫1 渡辺仁美1 飯塚健児1 赤見恵司1 高橋克明1 西村和博1 菅原秀樹1

所属機関: 1藤沢市医師会整形外科医会

ページ範囲:P.1003 - P.1010

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 目的:脊柱側弯症学校検診で発見された軽度特発性側弯症の自然経過を調査し,地域の整形外科クリニックで経過観察するうえで参考となる指標があるかについて検討した.

 対象と方法:過去16年間に10°以上の側弯症で観察期間が12カ月以上の237例を対象に,最終観察時Cobb角が初診時から5°以上変化したものを改善,悪化とし,5°未満の変化を不変として評価した.

 結果:結果は改善例16.5%,不変例61.6%,悪化例21.9%であった.

 まとめ:初診Cobb角15°以上でRisser sign 0,1,2のものは進行悪化する傾向が大きく,経過観察するうえで一つの指標と思われた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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