icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科46巻11号

2011年11月発行

文献概要

臨床経験

ポータブル超音波診断装置を用いた青少年期野球肘検診―福島県での取り組み

著者: 大歳憲一1 菊地臣一1 松尾洋平1 紺野慎一1 関口拓矢2 鴫原智彦3 矢吹省司3

所属機関: 1公立大学法人福島県立医科大学整形外科 2竹田綜合病院整形外科 3公立大学法人福島県立医科大学附属病院リハビリテーションセンター

ページ範囲:P.1033 - P.1039

文献購入ページに移動
 福島県内の小中学生310名(小学生81名,中学生229名,年齢8~15歳,平均年齢13歳)を対象にポータブル超音波診断装置を用いた野球肘検診を行った.肘痛の既往は148名47.7%の選手に認められた.超音波検査により,内側上顆の形態異常が169名54.5%,上腕骨小頭部の形態異常が4名1.3%に認められた.内側上顆の形態異常は,肘痛の既往,内側上顆の圧痛,肘関節可動域制限,および外反ストレステストと有意な関連が認められた.ポジション別では投手,捕手経験者において器質障害の発生率が高かった.

参考文献

1) 相澤 徹,大塚博子,岡本弥子・他:兵庫県尼崎市における少年野球メディカルチェックの実際.関西臨床スポーツ医・科学研究会誌15:69-70,2006
2) 岩瀬毅信,井形高明:上腕骨小頭骨軟骨障害.整形外科MOOK54:26-44,1988
3) 柏口新二,岩瀬毅信,井形高明:野球肘―成長期野球肘の自然経過と治療.関節外科8:109-117,1989
4) 後藤義人,藤田久夫,荻野哲也・他:兵庫県加古川市の全公立中学校における5年間の野球肘検診について.臨床スポーツ医学6:261-263,1989
5) 原田幹生,高原政利,佐々木淳也・他:少年野球選手の肘検診における超音波の有用性.東北整災誌48:62-65,2004
6) 原田幹生,高原政利,佐々木淳也・他:少年野球選手に対する超音波を用いた肘検診.臨整外42:555-560,2007
7) 小松 智,鶴田敏幸,平田信洋:少年野球肘への対応.Sportsmedicine 93:21-25,2007
8) 松浦哲也,岩瀬毅信:少年野球肘の実態.MB Orthop 10:1-6,1997
9) 松浦哲也,柏口新二,鈴江直人・他:少年野球肘検診-障害の早期発見・早期治療と予防を目指して.関節外科27:1089-1095,2008
10) 松岡紗也香,相澤 徹,野老 稔・他:兵庫県西宮市における少年野球メディカルチェック事業の実態と現場検診への移行.スポーツ傷害11:36-38,2006
11) 布谷 猛:スポーツ障害 成長期におけるオーバーユース(野球肘)少年野球リーグの野球肘検診を通じて.日本臨床整形外科医会会誌27:25-29,2002
12) 能勢康史:投球障害の予防:Sportsmedicine 117:21-25,2010
13) 大須賀友晃,岩堀裕介,加藤 真・他:少年野球チームに対する投球障害予防活動の効果.肩関節33:537-540,2009
14) Sasaki J, Takahara M, Ogino T, et al:Ultrasonographic assessment of the ulnar collateral ligament and medial elbow laxity in college baseball players. J Bone Joint Surg Am 84:525-531, 2002
15) Takahara M, Ogino T, Tsuchida H, et al:Sonographic assessment of osteochondritis dissecans of the humeral capitellum. AJR Am J Roentgenol 174:1-5, 2000
16) 渡辺千聡:学童期野球肘における超音波検査の有用性.大阪医大誌64:40-47,2005
17) 山口陸弘:スポーツ障害早期発見のための超音波検診,特集スポーツ診療における超音波画像診断.臨床スポーツ医学27:189-195,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら