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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科46巻2号

2011年02月発行

文献概要

検査法

独自の画像処理を加えた腰椎部3D-MR Myelographyの有用性(続報)

著者: 服部真澄1 岩越孝恭2

所属機関: 1東海記念病院放射線科 2大隈病院脳神経外科

ページ範囲:P.121 - P.125

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 われわれは,腰椎3D-MR myelography(3D-MRM)に独自の画像処理を加え神経根の描出を試みてきた中で,神経根遠位部病変が多いことに気付いた.そこで,当院で腰椎MRIを行った患者104人を症状とMRI所見から分類し,その内「下肢症状があり責任病巣を指摘できなかった14例」について3D-MRMを追加して検討した.14例中10例(71.4%)において,独自に画像処理を加えた3D-MRMで責任病巣として矛盾しない所見を指摘でき,それらは全例神経根遠位部病変であった.このことは,通常の腰椎MRIに3D-MRMを追加することで,従来の方法では診断が困難であった神経根遠位部病変の診断率が向上し,従来の報告よりfar-out syndromeや外側型椎間板ヘルニアが多く見つかる可能性を示唆している.

参考文献

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10) 楊 国隆,阿部栄二,水谷羊一:Extraforaminal lateral lumbar disc herniationの経験.整形外科39:1482-1489,1988

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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