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雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科46巻5号

2011年05月発行

雑誌目次

視座

薔薇の栽培と,「人つくり,人そだて」

著者: 高相晶士

ページ範囲:P.393 - P.394

 私の趣味の1つは園芸です.まだ盆栽を上手にできるとは思えないので花を咲かせ育てるという趣味ですが,いずれは盆栽を趣味にしてみたいと思っています.ところで私が「趣味は自転車と園芸です.」と言うと決まって皆にきょとんとされてしまいます.自転車はよいが,私と園芸の結びつきを想像してもらえないらしい.私の趣味の園芸は薔薇の栽培であると説明し,薔薇の種類の豊富さ,とげのありやなしや,一季咲きと四季咲きがあること,咲く時期,色,におい,名前の多様性,手のかけ方,害虫の種類…すべて説明して,やっと「はあ,そんなに奥深いものなのですか?」と少し納得してもらえます.後でわかったことですが,実は私の周りにも薔薇栽培が趣味だが,少し恥ずかしくて,みんなの前で言うことができなかったと打ち明けてくれる先生方も結構いました.実は日本は世界に名だたる薔薇王国です.日本でかけ合わされて作られた薔薇は,世界の様々な大会で優秀な賞を獲っています.

 では,私がなぜ薔薇栽培なのかというと,まず,薔薇は多年草の代表だからです.皆さんがご存知の花たちはほとんどが一年草です.一年草は咲く時期は色鮮やかに,そしてこのときばかりと盛んに咲いてくれます.大変美しいが,残念ながらその年限定のヒロイン….しかし,薔薇は多年草で,手をかけ,暇をかけ,心を込めると必ず長年にわたり私たちの期待に応えてくれます.次の年は幹が驚くほど太さを増し,「木」に近づいていってくれることを,また確実に「育っている」ことを実感させてくれます.その間,害虫がつかないようにし,水の量や肥料が適切であるように様々な注意を払ってあげなくてはなりません.そして,報酬は春のこぼれんばかりの美しい大輪の花.気候も最高の時期に,薔薇の花を見ていると,幸福を実感します.また,匂いも素晴らしい.ところでそんな薔薇栽培は「人つくり,人そだて」にとても似ています.私たち医師のように,教育にも関わる人間の面白みってなんでしょう? といいますか,人生の楽しみとは根本的になんでしょう?

器械

新しい低侵襲脊椎後方開創器―低侵襲Love法への臨床応用

著者: 平山次郎 ,   橋本将行 ,   森川嗣夫 ,   藤田耕司 ,   土屋敢 ,   竹内慶雄 ,   村松佑太 ,   榎本隆宏

ページ範囲:P.395 - P.400

 小皮切アプローチでも手術操作への干渉を軽減した低侵襲脊椎後方開創器を作製した.これを使用し低侵襲ヘルニア切除術を行った群と,同一術者が行った従来型開創器を使用したLove群を比較検討した.術前,術後3日,1~4週,3カ月の腰痛,下肢痛,下肢しびれVASとSF-36に両群間で有意差を認めなかった.本開創器の使用により,小皮切にもかかわらず,十分な手術操作空間が確保され,手術時間の延長や出血量増加も認めず,従来法同様の手技で手術が可能だった.本開創器は低侵襲脊椎後方手術における有用な支援器具である.

Lecture

エホバの証人(信者)に対する整形外科治療

著者: 倉都滋之

ページ範囲:P.401 - P.406

 宗教上いかなる場合にも輸血を拒否するエホバの証人の患者が,整形外科的疾患により手術を希望した場合,その手術を受け入れるかどうか判断に悩む施設も多い.輸血を受け入れないという患者の意思を尊重する考え方と,医の倫理に基づき救命のためには止むを得ず輸血を行うという考え方があり,医療従事者をジレンマに陥れる.このような状況の中で,われわれは可能な限り積極的に絶対的無輸血治療を行ってきたので,本稿では,その内容と結果を報告するとともに問題点についても概説する.

連載 工学からみた整形外科・4

情報工学からみた整形外科

著者: 畑豊

ページ範囲:P.408 - P.411

■はじめに

 近年の医療用診断装置の発展はめざましく,X線MDCTでの高精細画像をはじめとして,オープンMRIを用いた患部画像観察下での手術,内視鏡手術でのナビゲーション技術,ダヴィンチやゼウスによるロボット手術,これらはすべて高度なエンジニアリング技術により実現された成果である.現在,多くの工学者が工学分野の1つとしての医用健康装置開発およびそのデータ処理に関心を示している.今後,クラウドコンピューティングのさらなる高性能化に伴って遠隔ロボット支援手術や遠隔医療画像診断が進歩すれば,場所を選ばず適切な診断・治療が可能となる.この分野の進展には情報工学が中心的役割を果たす.特に,整形外科分野は実際の手術前,中,後に多くの定量的なデータ解析と高度なナビゲーション技術を必要としているため,クラウドコンピューティングとの親和性は極めて高い.ここでは,われわれが行ってきた医療データ処理に関する研究を紹介する.これらのすべてはクラウドコンピューティング技術で実現でき,これによって術者はデータを転送するだけで必要とする情報を瞬時に取得できる.

成長期のスポーツ外傷・障害と落とし穴・7

足関節

著者: 河原勝博 ,   帖佐悦男

ページ範囲:P.425 - P.428

診断のポイント

1) 受傷後2週間以上経過し,治療が行われたが痛みが残存していること.

2) 痛みは足関節後方にあり,底屈を強制することで痛みが増強する.

3) X線所見では足関節部には明らかな骨折は認めず,距骨後方に遊離骨片を認めた.

医者も知りたい【医者のはなし】・45

世界初・全身麻酔と乳癌手術 華岡青洲(1760-1835)

著者: 木村專太郎

ページ範囲:P.430 - P.433

■はじめに

 華岡青洲は,紀伊国(現・和歌山県)名手の平山で「麻沸散(通仙散)」という麻酔薬を独自に開発して,文化元年(1804)10月13日に,全身麻酔下に乳癌の手術を成功させている.これはアメリカ合衆国東部のボストン市・マサチューセッツ総合病院(MGH)で行われた,ウィリアム・モートンによるエーテルの全身麻酔より約40年早い.この華岡青洲のことが一般に知られたのは,同じく和歌山出身の作家・有吉佐和子が昭和42年(1967)に出版した「華岡青洲の妻」という小説による.小説の中で,母・於継と妻・加恵が競って実験台になる模様が描かれていて,母は恐らく麻酔剤による中毒死,そして加恵は失明してしまう.小説の中では,乳癌の字は,「乳岩」と書かれている.また青洲の乳癌手術録には,「乳巖治験録」と書かれている.小川鼎三によると,癌の字は,11世紀の中国の書物にすでに見られるが,日本では19世紀の半ば,江戸時代の末から多用され始めている.癌の字の病垂れの中の嵒は,「岩」と同じ読みと意味である.

 小説「華岡青洲の妻」は,市川雷蔵,若尾文子,高峰秀子らの出演で映画化もされている.その小説の中で,青洲が最初に乳癌手術を全身麻酔下に行ったのは,文化2年(1805)とされていた.最近になって弘前大学麻酔科学名誉教授・松木明知が,藍屋利兵衛の母・患者の勘の出身地,奈良県五条市御堂寺の過去帳の古文書研究から,勘の死亡日が文化2年2月26日であることをつきとめた.そのために手術は文化元年に訂正されている.余談であるが.10月13日は,日本麻酔学会により「麻酔の日」と定められている.

 青洲の偉大さは,有効な全身麻酔薬を発見したこと,犬と猫を使って動物実験を行い,さらに母と妻の申し出により,彼は人体実験も行い,そしていろいろの手術器具を考案して乳癌患者の手術を成功させたことである.さらに乳癌だけでなく,刀傷の縫合術,鼡径ヘルニア,膀胱結石,脱疽,痔,腫瘍摘出術など,種々の手術を行ったことが記録に残っている.

境界領域/知っておきたい

ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)が拓くリハビリテーションの新たな可能性

著者: 里宇明元

ページ範囲:P.412 - P.416

■はじめに

 ブレイン・マシン・インターフェース(Brain Machine Interface:BMI)は,脳機能の一部と機械を融合させ,障害を低減するための技術であり,その臨床応用が実現すれば,障害者やその家族にとって大きな福音となることが期待される.

 わが国では,BMI研究の加速を目的に,2008年から5年間の予定で,文部科学省脳科学研究戦略推進プログラム「日本の特長を活かしたBMIの統合的研究開発」(以下,脳プロ)が展開されている7).このプログラムは,独自のBMI要素技術と高度先端医療機能を持つ6拠点を中心に,BMIに関する基礎研究,技術開発,臨床研究を統合的・戦略的に推進することにより,わが国のBMI研究の国際競争力を高め,早期に臨床応用することを目指している(図1).この中で,慶應義塾大学は,緊密な医工連携が日常的に可能であるという稀有な環境を活かし,非侵襲BMIを臨床例で実証する中核を担っている.

最新基礎科学/知っておきたい

マイクロRNAの基礎と応用

著者: 高田修治

ページ範囲:P.418 - P.423

■はじめに

 マイクロRNA(microRNA,miRNA)は内在性の20-24塩基長程の低分子RNAで,メッセンジャーRNA(mRNA)の3'UTRに不完全ながら塩基配列特異的に認識した場合にはそのmRNAの翻訳抑制,完全一致に認識した場合にはmRNAを切断することにより機能している(図1).本稿執筆時,ヒトにおいてはゲノム中に約1,000のマイクロRNAがデータベースに登録されている(http://www.mirbase.org/).マイクロRNAは個体の発生や細胞の増殖,癌化,疾病への関与が明らかになってきており,診断や核酸医薬などの観点からも注目されている.本稿ではマイクロRNAの生合成や解析方法などの基礎と,炎症やリウマチへの関与と将来診断や創薬への可能性を秘めたその応用について概説する.

臨床経験

頚髄症における手術前後の他覚的・自覚的重症度と健康関連quality of lifeとの関係

著者: 樋口大輔 ,   井野正剛 ,   真鍋和 ,   清水敬親

ページ範囲:P.435 - P.442

目的:手術を受けた頚髄症患者における健康関連QOLの特性を明らかにすること.

対象:頚髄症患者35人と健常者30人.

方法:他覚的重症度(JOAスコア:17点法),自覚的重症度(SSFS),健康関連QOL(SF-8)を術前と退院時に調査した.

結果:SF-8のほとんどの項目は退院時までに有意に改善したが,その半数以上は健常者と比較して有意に劣っていた.また,手術前後ともSSFSはJOAスコアと比較してSF-8との関連が強かった.

結語:健康関連QOLは他覚的重症度ではなく自覚的重症度の改善に基づいて改善する特性が示された.

特発性大腿骨内顆と脛骨内顆骨壊死に対する人工膝単顆置換術(UKA)の短期治療成績

著者: 金子卓男 ,   大谷崇裕 ,   望月雄大 ,   砂川隆英 ,   武者芳朗 ,   𠮷田健太郎 ,   河野紀彦 ,   水谷一裕 ,   松本秀男

ページ範囲:P.443 - P.448

 特発性大腿骨内顆と脛骨内顆骨壊死に対する人工膝単顆置換術(UKA)の治療成績(平均経過期間は20.2カ月)について検討した.対象は2007年以降,保存療法が無効な症例15例である.最終調査時のKnee Arthroplasty Rating System of the Hospital for Special Surgery(HSS score)において平均86点であった.1例を除いて夜間痛もなくなり,UKA自体の脱転,弛みなどは生じていない.術後短期成績ではあるが,特発性膝骨壊死に対してUKAは有効であると考えられる.

上腕骨小頭離断性骨軟骨炎33症例の手術成績

著者: 高橋竜平 ,   北岡克彦 ,   中瀬順介 ,   五嶋謙一 ,   土屋弘行

ページ範囲:P.449 - P.453

 上腕骨小頭離断性骨軟骨炎の手術症例について治療成績と再手術の原因を検討した.2000年から2010年までに手術を行った33肘を対象とした.病巣分類は中央型10例,外側型4例,広範囲型19例であった.術前後の可動域とJOAスコア,術後1年での競技復帰率を評価し,また再手術症例の原因について検討した.可動域,JOAスコアとも術後改善を認め,術後1年での競技復帰率は平均90.3%であった.しかし骨軟骨柱固定術を施行した分離期後期の広範囲型の症例8例中4例,50%で再手術となった.

鏡視下Bankart修復術前後の二重斜位横断MR関節造影による関節窩陥凹評価と臨床成績の関連

著者: 前田周吾 ,   石橋恭之 ,   津田英一 ,   山本祐司 ,   佐々木泰輔 ,   藤哲

ページ範囲:P.455 - P.461

 スーチャーアンカーを用いた鏡視下Bankart修復術前後の下関節上腕靱帯・関節唇複合体(IGHLLC)の状態を,二重斜位横断像によるMR関節造影(DOA-MRA)で評価した.2004年1月以降に手術を施行した50例57肩を対象とした.術前・術後3カ月・術後6カ月にDOA-MRAを撮影し,IGHLLCの形態をprominent,split,flat,detached,capsular tearに分類し,IGHLLCの傾斜角および関節窩からの高さを測定した.Bankart修復術前後でIGHLLCの傾斜角および高さは有意に増加し,術後6カ月でも維持されていた.術後6カ月のIGHLLCの形態と臨床成績に関連はみられなかった.スーチャーアンカーを用いた鏡視下Bankart修復術による関節窩陥凹の回復は良好であった.

症例報告

金属アレルギーの変形性股関節症患者に対する人工股関節置換術の1例

著者: 大谷崇裕 ,   泉田良一 ,   逸見治 ,   加藤正二郎 ,   砂川隆英 ,   金子卓男

ページ範囲:P.463 - P.465

 症例は69歳の女性で,主訴は右股関節痛である.2002年に他院で両側臼蓋形成不全で臼蓋形成術を施行された.徐々に右股関節痛が増悪し,2008年に当科を受診した.X線像上末期の変形性股関節症を認めた.金属アレルギーの既往があり,今まで人工股関節置換術(THA)は避けられていたが,パッチテスト,リンパ球刺激試験を施行し,アレルギー反応を示さなかったインプラントを用いてTHAを施行したところ,アレルギー反応は出現せず,術後1年3カ月の現在,X線画像上も明らかな弛みを認めていない.

多数回手術を要した腰椎カリエスの1例

著者: 田中智史 ,   水野正昇 ,   馬島雅高 ,   山田知史 ,   山賀篤 ,   宮本健太郎 ,   松山幸弘 ,   今釜史郎 ,   安藤圭 ,   片山良仁

ページ範囲:P.467 - P.471

 症例は第4,5腰椎(L4,5)の脊椎カリエスと診断された73歳の男性である.抗結核薬による保存療法を行ったが症状は悪化し,10カ月後に手術となった.手術は第2腰椎から第1仙骨(L2~S1)の後方除圧固定術,両側侵入前方搔爬・腓骨移植を3期的に行った.術後4年でX線像・CTで骨癒合を確認した.MRIでは感染の再燃はみられない.結核菌はバイオフィルム形成に乏しく,前方固定の範囲が2椎間で,腰仙椎では移植骨の安定性が得にくいことから,後方インストゥルメンテーションを併用した前方固定術が必要と考えられた.

有痛性斜頚を呈した後頭蓋窩腫瘍の1例

著者: 三輪俊格 ,   向井克容 ,   薮内洋輔 ,   細野昇 ,   武中章太 ,   冨士武史

ページ範囲:P.473 - P.476

 後頭蓋窩腫瘍により有痛性斜頚を呈した7歳男児の症例を経験したので報告する.初診時,有痛性斜頚と3D-CTにより環軸椎回旋位固定の診断を下した.持続介達牽引治療により斜頚はいったん改善したが,初診から4週間後に反対側の斜頚の再発を呈した.再発時には失調性歩行も呈しており,頚椎MRIで後頭蓋窩腫瘍を指摘され脳神経外科に紹介された.後天性斜頚の診療にあたっては腫瘍性疾患や感染性疾患の可能性を常に考慮することが必要である.

尺骨発生のbizarre parosteal osteochondromatous proliferation(Nora lesion)の1例

著者: 佐藤央 ,   中島浩敦 ,   吉田雅博 ,   高桑康成 ,   黒田誠

ページ範囲:P.477 - P.481

 症例は25歳の男性で,右手関節に骨性隆起を触知し,単純X線像で尺骨に接する石灰化腫瘤を認め,単純CTで腫瘤は皮質と連続性を認めた.単純MRIで髄腔内には輝度変化はなかった.切開生検でbizarre parosteal osteochondromatous proliferation(BPOP)と確定診断後に辺縁切除術を行い,術後6カ月現在再発はみられない.BPOPは主に手足の短管骨に発生し,皮質や髄腔と連続性を認めないとされてきたが,自験例のように長管骨発生例で連続性を認める報告がある.BPOPは成熟すると皮質に固着するとされ,長管骨は深部にあるため腫瘤の発見に時間を要し,皮質と連続すると考えられた.

脊椎手術後の髄液漏による頭蓋内硬膜下血腫を生じた2例

著者: 傳田博司 ,   伊藤拓緯 ,   平野徹 ,   和泉智博 ,   佐野敦樹 ,   佐藤朗

ページ範囲:P.483 - P.487

 脊椎手術後の髄液漏による頭蓋内硬膜下血腫を生じた2例を経験した.症例1は77歳の男性で胸椎転移性脊椎腫瘍に対して椎体全摘術を施行した.術後髄液漏が原因と思われる頭蓋内硬膜下血腫を認め,保存的治療で改善した.症例2は70歳の女性で,上位頚髄の髄膜腫の摘出術後に激しい頭痛と嘔吐を繰り返し,脳CTで頭蓋内硬膜下血腫を認めた.保存的治療の効果が乏しく,髄液漏の閉鎖を行い症状は劇的に改善した.保存的治療により改善が得られない場合には,髄液漏の閉鎖術が有用であると考えられた.

INFORMATION

転倒予防医学研究会『第13回転倒予防指導者養成講座』(熊本) フリーアクセス

ページ範囲:P.411 - P.411

日   時:2011年5月21日(土)~22日(日)

場   所:医療法人社団寿量会 熊本機能病院 市民ホール他

第14回日本内視鏡低侵襲脊椎外科学会学術集会 フリーアクセス

ページ範囲:P.428 - P.428

日   時:2011年11月25日(金)~26日(土)

会   場:ニチイ学館 神戸ポートアイランドセンター(神戸市港島南町7-1-5)

第19回日本腰痛学会 フリーアクセス

ページ範囲:P.453 - P.453

会   期:2011年(平成23年)9月2日(金)・3日(土)

会   場:さっぽろ芸文館(札幌市中央区北1条西12丁目 TEL:011-231-9551)

第109回東北整形災害外科学会延期のお知らせ フリーアクセス

ページ範囲:P.481 - P.481

 震災の被害状況を鑑みますと,被災者・被災地の回復・復興には相当の時間を要すること,この時期に医療の現場から離れることが困難な医師が多数おられると考えられること,交通網の回復状態の予想がつかないことなどにより,平成23年5月27日(金)・28日(土)開催を予定しておりました第109回東北整形災害外科学会を「適切な時期に延期して開催」(向後の社会状況によっては「1年間の延期」)とさせていただきたいと存じます.詳細につきましては後ほどまた連絡いたします.

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欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P. - P.

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.489 - P.489

投稿規定 フリーアクセス

ページ範囲:P.490 - P.490

文献の書き方 フリーアクセス

ページ範囲:P.491 - P.491

あとがき フリーアクセス

著者: 土屋弘行

ページ範囲:P.492 - P.492

 3月11日,未曽有のマグニチュード9.0という大震災が突然日本を襲った.東日本大震災である.亡くなられた方々のご冥福を祈るとともに,被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます.困難を乗り越え,一日も早い復旧復興を心よりお祈りいたします.われわれ国民一人一人が勇気と思いやりを振り絞り,支えあい,何ができるかを考え,できる限りの支援をする覚悟が必要であるのは言うまでもありません.くじけそうになっても忘れてはならないことがあります.ヒトのあいだと書いて,人間と言います.われわれは,独りぼっちではないということです.心を強く持ち,助け合い,国難を乗り切らなくてはいけません.われわれだからこそできると思います.

 ここ金沢でも2回,震度3の揺れを感じました.インターネットで流れてきたニュースをみて吃驚しました.凄いことが起こっていると直感しました.金沢大学附属病院からもその日のうちに災害派遣医療チーム(DMAT:Disaster Medical Assistance Team)を送り,第2陣には,当教室から整形外科医も派遣いたしました.災害発生から1週間も経過しますと,整形外科医の出番は相対的には少なく,既に,何らかの病気を有するご高齢の方々の慢性疾患への対応が中心となっていたようです.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

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