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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科46巻6号

2011年06月発行

文献概要

症例報告

バンコマイシン混入骨セメントビーズによりred man症候群を呈した1例

著者: 奥野栄太1 福地綾乃1 真玉橋由衣子1 渡慶次さやか1 伊波寛1 中原巖1

所属機関: 1地方独立行政法人那覇市立病院麻酔科

ページ範囲:P.561 - P.563

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 72歳,女性.大腿骨頚部骨折術後にMRSAの創部感染を生じ,バンコマイシン(VCM)の点滴投与およびVCM混入骨セメントビーズ(以後VCMビーズ)留置術が行われた.VCM投与16日目から皮膚の発赤・搔痒感が出現した.VCMの投与を中止したが,皮膚所見は増悪し,VCMビーズ抜去術を行った.術中の血圧低下に難渋したが,その後,皮膚症状は改善した.VCMビーズによってもred man症候群を起こすことがあり,注意が必要である.

参考文献

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3) 中岡伸哉,石津恒彦,田中一成・他:Vancomycin混入骨セメントビーズを用いたMRSA骨髄炎の治療法.整形外科48:907-911,1997
4) 大塚博巳,廣瀬士朗,森島達観・他:セメントビーズによる人工関節術後感染の治療.整・災外53:539-545,2010
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7) 高倉俊二:バンコマイシンの使用を再考する.日外感染症誌6:43-50,2009
8) 高橋宏典,松田秀雄,川上裕一・他:PMXが著効したがVCMによるred man症候群を呈した産褥MRSA敗血症性ショックの1症例.周産期医学33:777-780,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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