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連載 医者も知りたい【医者のはなし】・46
江戸中期の医師 後藤艮山(1659-1733)
著者: 木村專太郎1
所属機関: 1木村専太郎クリニック
ページ範囲:P.628 - P.630
文献購入ページに移動後藤艮山のことは,一般にあまり知られていないが,江戸中期の重要な医者である.昔の医者は僧侶と同じく剃髪していたが,艮山は剃髪せずに,長髪のまま医者稼業を全うしている.また当時医学の主流であった陰陽理論や五行理論といった抽象的な理論に基づく後世派医学に対抗して,「傷寒論」や「金匱要略」などの臨床に基づく医療を重視する名古屋玄医と後藤艮山をはじめとするの「古方派」の医学が台頭してきた.そして艮山の弟子,香川修庵,吉益東洞と山脇東洋たちが,その考えを踏襲し,その後の江戸時代医学の中心を形成していった.
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