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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科46巻8号

2011年08月発行

文献概要

臨床経験

医原性脊髄硬膜外血腫の臨床像

著者: 津田肇1 竹林庸雄1 吉本三徳1 堀清成2 小熊大士3 山下敏彦1

所属機関: 1札幌医科大学整形外科 2留萌市立病院整形外科 3札幌円山整形外科病院

ページ範囲:P.743 - P.747

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 医原性脊髄硬膜外血腫11症例の臨床成績を検討した.脊椎手術による発症6例,ブロックによる発症5例であった.前者の全例が下肢症状,後者の多くが穿刺局所部痛で発症した.9例は6時間以内の発症であったが,抗凝固薬服薬例2例は遅発性に発症した.手術群の多くは血腫除去手術を要し,ブロック群の多くは経過観察で軽快した.2例の麻痺が残存した.医療行為による硬膜外血腫の発生を皆無にすることはできないため注意を要する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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