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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科46巻9号

2011年09月発行

文献概要

誌上シンポジウム 生物学的製剤が与えた関節リウマチの病態・治療の変化

関節リウマチ治療の変革―Treat to TargetとTight Controlの意味

著者: 石黒直樹1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科機能・構築医学運動・形態外科学整形外科

ページ範囲:P.789 - P.792

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 確実な治療効果が期待できる薬剤の登場は,治療目標の設定を可能とした.現在,関節リウマチ(RA)治療に対しては従来と違うアプローチを必要としている.炎症性骨関節破壊疾患であるRAに対する治療の要点は,関節破壊進行を止めることはできても,回復させることには至らないという事実である.早期の治療介入が優れた治療結果に結びつくことはつとに知られたことである.これに加え治療経過を考えるうえでのtight controlという概念を組み合わせると治療効果が高まることが明らかにされた.これらを基に作成された「Treat to Target(T2T)」(目標に向けた治療)は,治療目標ばかりではなく,tight controlの必要性とそれを実行する術についても記載されている.T2TはRAでの運動器疾患としてその不可逆的破壊を可及的に避けるように治療すべきであることと,その方策を示したものである.

参考文献

1) de Wit MPT, Smolen JS, Gossec L, et al:Treating rheumatoid arthritis to target:the patient version of the international recommendations. Ann Rheum Dis 70:891-895, 2011
2) Felson DT, Smolen JS, Wells G, et al:American College of Rheumatology/European League against Rheumatism provisional definition of remission in rheumatoid arthritis for clinical trials. Ann Rheum Dis 70:404-413, 2011
3) Schildmann J, Grunke M, Kalden JR, et al:Information and participation in decision-making about treatment:a qualitative study of the perceptions and preferences of patients with rheumatoid arthritis. J Med Ethics 34:775-779, 2008
4) Schoels M, Knevel R, Aletaha D, et al:Evidence for treating rheumatoid arthritis to target:results of a systematic literature search. Ann Rheum Dis 69:638-643, 2010
5) Smolen JS, Aletaha D, Bijlsma JW, et al:Treating rheumatoid arthritis to target:recommendations of an international task force. Ann Rheum Dis 69:631-637, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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