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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科46巻9号

2011年09月発行

文献概要

誌上シンポジウム 生物学的製剤が与えた関節リウマチの病態・治療の変化

新たな視点からの関節リウマチ手術適応

著者: 神戸克明1

所属機関: 1東京女子医科大学東医療センター整形外科

ページ範囲:P.805 - P.809

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 関節リウマチ(RA)の治療において,手術は,人工関節のように最終手段であるというこれまでの観念から,生物学的製剤との併用療法との認識でRAの機能改善の質を向上させる手段であるという新しい視点が提示され,早い段階から滑膜切除術などが行われている.ここで重要な視点は,生物学的製剤によって改善しない関節を早期に見極め早期に治療するということである.長期に腫脹,疼痛関節を生物学的製剤により治療しても,残存する腫脹関節では関節破壊が進行するばかりでなく,機能改善が不可能な状態を招きやすい.寛解とは全身の炎症を抑えることでなく,疼痛関節をなくすことであると考える.生物学的製剤の効果減弱早期の滑膜切除は有効であるが,残存する関節破壊の状態をよく見極め,荷重関節において破壊が進行した症例では人工関節の適応となる.一方,肩,肘,手関節など上肢の非荷重関節においては,関節破壊が進行していても,生物学的製剤併用下での滑膜切除は可動域改善を得られる手段として再考する価値がある.

参考文献

1) Kanbe K, Inoue K:Efficacy of arthroscopic synovectomy for the effect attenuation cases of infliximab in rheumatoid arthritis. Clin Rheumatol 25:877-881, 2006
2) 神戸克明,中村篤司,井上靖雄・他:関節リウマチの生物学的製剤効果不十分例に対する関節鏡視下滑膜切除術後の機能評価.臨床リウマチ22:199-203,2010
3) Smolen JS, Aletaha D, Bijlsma JWJ, et al:Treating rheumatoid arthritis to target:recommendation of an international task force. Ann Rheum Dis 69:631-637, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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