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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科46巻9号

2011年09月発行

文献概要

調査報告

脊椎手術での腹臥位体位変換における心拍出量変化

著者: 長谷川浩士1 伊藤友一1 千葉克司1 小林なぎさ2 石川仁1 鈴木智人1 浜崎允1

所属機関: 1山形済生病院整形外科 2山形済生病院麻酔科

ページ範囲:P.837 - P.841

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 低侵襲動脈圧心拍出量測定を用いて腹臥位への体位変換が血行動態へ及ぼす影響について調査した.対象は全身麻酔下に腹臥位で脊椎手術を施行した71例(男性47例,女性24例)である.麻酔導入後,腹臥位直前および体位変換後の心拍出係数(CI),一回心拍出係数(SVI),一回心拍出量呼吸性変動(SVV)を測定した.腹臥位直後から心機能を反映するCI,SVIは有意に低下し,血管内容量を反映するSVVは変化しなかった.術後,仰臥位に変換後はCI,SVIが有意に増加した.本研究により,腹臥位は心機能低下の危険性があり,血管内容量へは影響しないことが判明した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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