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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科46巻9号

2011年09月発行

文献概要

連載 医者も知りたい【医者のはなし】・47

江戸中期の医師(2) 香川修庵(1683~1755)とその師・伊藤仁斎(1627~1705)(その1)

著者: 木村專太郎1

所属機関: 1木村専太郎クリニック

ページ範囲:P.848 - P.851

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■はじめに

 今回は,第46回の後藤艮山の弟子・香川修庵とその儒学の師・伊藤仁斎について述べる.伊藤仁斎は医師ではないが,修庵を含め多くの医者たちが,仁斎とその一派の弟子たちに,多大な影響を受けている.また京都嵐山の和歌で名高い小倉山にある二尊院の墓地には,仁斎と修庵が隣合わせに仲良く眠っている.仁斎に大きな影響を受けた修庵は,儒学と医学の精神が「一本」であるとの信念から,号を「一本」と称し,自分の学問所に「一本堂」と名付けた.以上のような理由から,この二人をペアで書いてみたいと考えた.

 香川修庵は,後藤艮山の下で医学を研鑽し,「古方派」医学台頭の礎を艮山とともに築き,修庵とその弟子である吉益東洞と山脇東洋たちが,さらにその発展に寄与した.後世の医師たちは,本邦最初に人体解剖に関与した山脇東洋を高く評価しているようで,修庵は残念ながら少々陰が薄いようである.

参考文献

1) 伊藤仁斎,清水 茂(校注):童子問.岩波文庫,1970
2) 石田一良:人物叢書 伊藤仁斎.吉川弘文館,1960
3) 子安宣邦:伊藤仁斎の世界.ぺりかん社,2004
4) 相良 亨:伊藤仁斎.ぺりかん社,1998
5) 杉立義一:京の医史学探訪.思文閣出版,1984
6) 大塚敬節,矢数道明:近世漢方医学書集成65 香川修庵.名著出版,1982

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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