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整形外科臨床における枕調節の意義
著者: 山田朱織1 勝呂徹2 星徹3
所属機関: 116号整形外科 2東邦大学医学部整形外科 3東京工科大学コンピュータサイエンス学部
ページ範囲:P.852 - P.858
文献購入ページに移動脊椎動物である人間にとって,睡眠中に使用する「枕の調節の必要性」を考える.
歴史的にみても,世界的にみても,医学的とくに臨床的に検証されたevidence based pillowはない.しかし人間の睡眠の意義の解明,脊椎の回復の視点からみた睡眠姿勢の研究をする過程で,枕の調節について研究することは不可欠である.なぜなら睡眠姿勢とは,覚醒時の意識的な姿勢保持と異なり,無意識の間に寝具条件の影響を受けるところが大きいからである.とりわけ頚椎の姿勢を決定する枕の条件は,脊椎全体の睡眠姿勢に影響し,基礎疾患の症状を増悪する原因にもなれば,治療効果にもなることを,脊椎疾患の治療を担う整形外科医は認識しなければならない.これまで日本の臨床整形外科領域において,枕は重視されることなく,治療として十分に議論されてこなかった.われわれは,枕と寝台を中心に睡眠姿勢を研究している.最新の臨床知見を含め紹介する.
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