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雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科47巻1号

2012年01月発行

雑誌目次

視座

若き整形外科医たちへ―Try, try again.―I have a dream.

著者: 土屋弘行

ページ範囲:P.3 - P.4

 最近の若き整形外科医たちは,どれだけの生きがいを持って働けているのだろうか? 仕事,研究を楽しんでいるだろうか? 熱き血潮煮えたぎる愚生が,最近ふと思うことを書いてみた.

 

 金沢市にあった旧制第四高等学校を卒業した作家,井上靖の「あすなろ物語」の一節である.

誌上シンポジウム 整形外科領域における蛍光イメージング

緒言 フリーアクセス

著者: 土屋弘行

ページ範囲:P.6 - P.6

 2011年(平成23年)10月20~21日と,第26回日本整形外科学会基礎学術集会が高岸憲二会長主催のもと,群馬県前橋市で開催され,実に数多くの先駆的研究とその結果が報告された.その1つひとつの発表は重要で実に意義深いものであったが,自分の専門分野と異なってしまうと,目を惹かれる発表とそうではない発表とがあった,のもまた事実である.限られた時間内に,数多くの発表の中から自分の発表に関心を向けてもらうというのは,実は非常に大変なことである.残念ながら,どれほど苦労して得られた結果でも関心を持ってもらえなければ,ただ徒労でしかない.数多くのものから目を惹かせるためには,研究のテーマや内容はもちろんであるが,視覚的に理解しやすいことが大切であり,これはいわゆる白黒の電気泳動写真や数値のみの棒グラフだけの発表よりも,同一動物での経時的変化の実際の写真であったり,組織切片での蛍光多重染色のように色彩的に鮮やかで,美しいものであればなおさらである.

 また同一動物で観察を行えば,犠牲にする実験動物を減らすことが可能で,個体差による実験誤差を減らすことも可能である.小動物で生体内イメージングを行うには,MRI,CT,各種アイソトープを用いた実験系などもあるが,大掛かりな実験装置の導入が必要であり.アイソトープを用いた実験では取り扱いに対する制限も厳しい.一方,ルシフェラーゼや蛍光蛋白質あるいは蛍光物質などを用いる実験系では,実験装置も小型で遺伝子導入細胞などを用いるときでも,P2レベルの実験室で観察を行うことができるため,比較的容易に実験を行うことが可能である.

脊髄再生関連 神経幹細胞の蛍光発光標識によるイメージングと応用―脊髄損傷モデルでの移植細胞のBioluminescence Imaging

著者: 高橋勇一朗 ,   岡野栄之 ,   戸山芳昭 ,   中村雅也

ページ範囲:P.7 - P.15

 われわれは独自に開発した蛍光・発光蛋白質:ffLucを用いて神経幹細胞を標識することで,移植された細胞を長期にわたり定量的かつ経時的に評価するbioluminescence imagingの系を確立した.これを応用して,脊髄損傷に細胞移植を行ううえで最も適切な移植方法を決めるために,マウス脊髄損傷モデルに対して神経幹細胞を3通りの投与法で移植し,定量的に移植細胞の生着と分布を評価した.移植細胞の生着と安全性の面から,脊髄損傷への神経幹細胞の移植法で最もよい方法は髄内直接投与であることが明らかとなった.蛍光・発光レポーターとその解析法を応用することで,今後さらに脊髄損傷の病態や治療法が解明されることが期待される.

腫瘍 腫瘍細胞のリアルタイムイメージング

著者: 山本憲男 ,   林克洋 ,   山内健輔 ,   木村浩明 ,   ロバート・ホフマン ,   土屋弘行

ページ範囲:P.17 - P.25

 がんに対する研究はこれまでも精力的に行われ,毎年多くの研究成果が報告されているが,その大多数は断片的なもので,腫瘍細胞の経時的な変化について観察したものは少ない.われわれは,蛍光蛋白遺伝子を腫瘍細胞内へ導入することで,in vivoにおいても腫瘍細胞をsingle cellレベルでリアルタイムに観察できる各種モデルを作製してきた.これらモデルは,遺伝子機能解析や新規抗がん剤開発などに非常に有用なものであり,これらモデルの概略を紹介する.

軟骨再生 ラット膝関節内へ移植した細胞シートのBioluminescenceによる経時的評価

著者: 高久裕子 ,   村井邦彦 ,   鵜養拓 ,   伊藤聡 ,   小久保舞美 ,   小林英司 ,   竹内護 ,   持田讓治 ,   佐藤正人

ページ範囲:P.27 - P.31

 軟骨細胞シートは温度応答性培養皿を用いて酵素処理を必要とせずシート状に回収され,損傷した軟骨組織に対して優れた接着能をもち自己の軟骨修復能力を高める.すでに家兎およびミニブタを用いた動物実験において,膝関節症モデルへの同種細胞シート移植後の軟骨再生効果が実証されている.今回,細胞シートのラットにおける同種膝関節移植後の細胞動態についてbioluminescence imaging(BLI)の手法を用いて検証したところ,関節内の長期生存を認め,移植細胞自身による軟骨再生効果が期待される結果となった.

末梢神経 末梢神経縫合部でのSchwann細胞の観察

著者: 安食孝士 ,   木村敦 ,   星野雄一 ,   小林英司

ページ範囲:P.33 - P.38

 近年,移植・再生研究のツールとして生きた細胞や組織をリアルタイムに観察できる蛍光イメージング技術が大きく進歩している.整形外科の基礎研究においても,運動器組織の修復過程や細胞の遊走現象,さらに細胞の分化・増殖などを観察するのに,蛍光イメージングは非常に有用である.

 本稿では,蛍光標識遺伝子が組み込まれた遺伝子改変ラットを使った末梢神経移植および下肢移植について概説する.

筋肉 筋肉における蛍光イメージング

著者: 美舩泰 ,   松本知之 ,   久保晴司 ,   秋末敏弘 ,   黒田良祐

ページ範囲:P.39 - P.42

 近年,イメージング技術などの進歩により,再生医療研究に代表される基礎研究の躍進が著しい.今回は「筋肉」の分野において,最近の研究の中で注目されており,筋肉の再生においては欠かせない存在であるサテライト細胞や筋前駆細胞,筋細胞膜の裏打ち蛋白であるジストロフィン蛋白,筋修復過程で出現する炎症細胞,in vitroでの筋細胞分化などに関する蛍光イメージングについて紹介する.

炎症・感染症 整形外科の基礎研究における蛍光・バイオイメージング法―感染症領域への応用

著者: 船尾陽生 ,   石井賢 ,   蔵本哲也 ,   塩野雄太 ,   吉岡研之 ,   石濱寛子 ,   中村雅也 ,   戸山芳昭 ,   千葉一裕 ,   松本守雄

ページ範囲:P.43 - P.49

 われわれは,バイオイメージングの手法を用い,とくに感染症領域での研究を進めている.骨軟部組織感染症の病態はいまだ不明な点も多く,診断や治療に難渋することが少なくない.過去の動物モデルは,同一個体における細菌感染動態の空間的・時間的な把握が困難であった.本稿で紹介する骨軟部組織感染症モデルは,同一個体におけるリアルタイムな細菌感染動態の可視化が可能であり,病態解明や新たな抗生剤・抗菌素材などの開発,また治療効果判定にも極めて有用であると考えられる.バイオイメージングは今後さらなる他分野への応用が期待される技術である.

論述

手根管症候群に対する経口プロスタグランジンE1誘導体製剤(Limaprost Alfadex)の治療効果について

著者: 多田薫 ,   重本顕史 ,   菅沼省吾 ,   土屋弘行

ページ範囲:P.51 - P.55

 背景:Limaprost alfadexは馬尾神経の血流増加作用を持ち,腰部脊柱管狭窄症に対し広く処方されている.

 対象と方法:同薬の血流増加作用が手根管症候群例の正中神経に対しても奏功すると考え,手根管症候群と診断した20例にlimaprost alfadexを投与し,手根管症候群質問表(CTSI)を用いて治療効果を検討した.

 結果:同薬による治療後,知覚に関する評価(CTSI-SS),機能に関する評価(CTSI-FS)ともに改善傾向を認めた.

 まとめ:本研究の結果からlimaprost alfadexは手根管症候群の症状を緩和させる可能性があると考えられた.

Cobb角30°以上の腰椎変性側弯における椎弓根解剖学的形態の検討

著者: 牧野孝洋 ,   海渡貴司 ,   藤原啓恭 ,   米延策雄

ページ範囲:P.57 - P.62

 背景:本研究の目的は腰椎変性側弯における椎弓根形態の左右差を見出すことである.

 対象と方法:腰椎変性側弯11例(88椎弓根)を対象に,任意断面再構成CTを用いて椎弓根形態計測を行った.

 結果:対象全椎弓根で凸側に比して凹側では椎弓根横径と最短径は小さく,冠状断椎弓根傾斜角は大きかった.高位別には第4腰椎でこれらの傾向が強かった.

 まとめ:椎間板腔の非対称性楔状化による荷重不均衡や椎弓根存在スペースの狭小化の結果,リモデリングにより椎弓根形態変化が生じたことが椎弓根形態左右差の原因の一つと推察された.凹側への椎弓根スクリュー刺入には逸脱を回避するため,そのサイズ選択および刺入角度に対する注意が必要である.

調査報告

高校野球投手に対するメディカルチェック―腰痛と全身タイトネス・関節弛緩性との関係

著者: 塩澤裕行 ,   山本敦史 ,   小林勉 ,   田鹿毅 ,   三枝徳栄 ,   高岸憲二

ページ範囲:P.63 - P.66

 高校野球投手の腰痛について述べた報告は少ない.本研究の目的は高校野球投手の腰痛の実態を調査し,背景となる因子との関係を検討することである.2009年(平成21年)2月にメディカルチェックを施行した高校野球投手134名を対象とし,腰痛,肩関節,肘関節痛の有無,野球歴,ピッチャー歴,検診時の投球パフォーマンス,理学所見から全身のタイトネス,関節弛緩の有無を評価した.高校野球投手134名のうち17.2%に腰痛を認めた.腰痛がある群はピッチャー歴が長く,検診時の投球パフォーマンスが低く,体幹伸展が少なく,母指の関節弛緩を認める例が少なかった.

某化学工場勤労者における腰痛の実態調査

著者: 岡本弦 ,   西口薫 ,   廣瀬彰

ページ範囲:P.67 - P.71

 某化学工場勤労者に対してアンケート形式で腰痛の実態調査を行い,471人から回答を得た.日本整形外科学会腰痛疾患治療判定基準(JOAスコア)の自覚症状3項目(9点),日常生活動作7項目(14点)よりなる23点満点の腰痛スコアは交代勤務者,飲酒頻度の高い者,喫煙者(喫煙期間の長い者)で有意に低値であった.運動習慣の有無は腰痛スコアと相関せず,むしろスポーツ活動中の腰痛発生が多かった.全体の約3分の2が1年以内に腰痛を経験していた.腰痛経験者の約45%が仕事に支障を感じており,その約3分の1が休職を経験していた.

整形外科/知ってるつもり

生体内吸収性プレートSuper Fixsorb

著者: 酒井昭典

ページ範囲:P.72 - P.75

■はじめに

 骨折の治療には,チタン,ステンレスに代表される金属製の骨接合材が広く用いられている.金属製骨接合材は,強固な固定力がある一方で,自由に成形できない,腐食,メタローシス,プレート下でのストレスシールディング,プレート抜去のために再手術を要する,抜去が困難なことがある,などの問題点がある.これらの問題点を克服するために,1990年代から生体内吸収性の骨接合材が開発されてきた.欧米では,ポリグリコール酸(polyglycolic acid:PGA),ポリ乳酸(polylactic acid:PLA),ポリ-L-乳酸(poly-L-lactide:PLLA)が用いられてきた1,2,4).しかし,乏しい固定力,力学強度の早期喪失による骨折部再転位,材料の急速分解による異物反応,X線透過性のために術中コントロールや術後の経過観察が困難,などの欠点が指摘されていた.わが国において,PLLAとハイドロキシアパタイト(hydroxyapatite:HA)微粒子の複合体が開発され,臨床使用されてきた5,6).材料の強度は向上し,強度は長期間維持されるために骨折部が再転位せず,緩徐に吸収されるために異物反応が生じにくく,HAが含まれているためにX線不透過性となり,過去に指摘されてきた吸収性骨接合材の欠点は克服された.

 われわれは,2008年7月から,PLLAとHAの複合体からなるこのメッシュ状プレートを上肢骨折の治療に用いてきた7,8).メッシュの穴に合う径2.0mmのミニスクリューとメッシュプレート専用のベンダーをタキロン株式会社,ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社と共同で開発した.この手術手技の実際と本接合材の利点について報告する.

連載 整形外科最前線 あなたならどうする?・1【新連載】

整形外科最前線 あなたならどうする?

著者: 松原秀憲 ,   渡邊孝治 ,   土屋弘行

ページ範囲:P.77 - P.80

症例

患者:68歳,男性

主訴:右足関節部痛

既往歴:糖尿病(内服加療中)

現病歴:2006年(平成18年)3月,家庭菜園で耕運機を操縦していたところ,誤って右下腿を巻き込んで受傷した.救急車で当院救急外来に搬送された.

成長期のスポーツ外傷・障害と落とし穴・14

膝関節痛

著者: 山口奈美 ,   帖佐悦男

ページ範囲:P.81 - P.83

診断のポイント

1) 10代男性,骨端線閉鎖前

2) 膝関節の運動時痛

3) 大腿骨内顆の圧痛,膝関節可動域制限(屈曲時に疼痛あり),Wilson sign陽性

医者も知りたい【医者のはなし】・49

江戸後期の医師・佐藤泰然(1804~1871)

著者: 木村專太郎

ページ範囲:P.84 - P.88

■はじめに

 今回は,下総(現・千葉県)佐倉に西洋式医療施設兼医学校・順天堂をつくり,多くの優秀な弟子を育て,佐倉藩を関東の蘭学の拠点に仕上げた佐藤泰然(図1)について述べる.

 泰然の弟子であり養子の佐藤尚中は,順天堂の第二代堂主として佐倉で活躍していたが,明治2年(1869)に大学東校(東京医学校,東京大学医学部の前身)に,明治政府からの招聘によって「大博士」として赴任した.その後,ドイツから教授陣が来日したために,尚中は大学東校を辞し,明治6年(1873)に東京下谷練塀町に順天堂医院を設立し,さらに湯島本郷に明治8年(1875)に移り,現在の順天堂大学の基礎をつくった.また泰然の次男・良順は自身の親友・松本良甫家の養子となり,ポンペが安政4年(1857)に長崎に来たとき,かの地に赴いた.そしてポンペ塾の総帥として,かつ幕末の江戸で活躍し,明治維新後,松本順として陸軍軍医総監として政府に仕えた.

境界領域

CTによる頚椎後縦靱帯骨化陰影の15年間の経過観察―1例報告と細胞増殖因子に関連した考察

著者: 菊野光郎 ,   菊野竜一郎 ,   茂手木三男 ,   小宮節郎 ,   井尻幸成 ,   地原千鶴 ,   川畑了大 ,   髙野純

ページ範囲:P.89 - P.92

 頚椎の後縦靱帯骨化症(OPLL)の発生,進展の機序解明を目指した.患者は初診時26歳の男性で,CTで15年10カ月観察した.陰影の経過をCTとMRIとを対比させて得た病理組織像と,細胞増殖の因子で出現する病理組織像とを対比させた.結果として①淡い薄い陰影はフィブロネクチン,腫瘍増殖因子(TGF)-β,塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF),インスリン様成長因子(1GF-1),骨形成促進因子(BMP)-2の細胞増殖因子が ②雲絮状陰影はTGF-β,フィブロネクチン,BMP-2の細胞増殖因子が ③不規則,低中濃度陰影はTGF-β,BMP-2,1GF-1の細胞増殖因子の関与が推測された.

臨床経験

変形性肘関節症に対するコンピューター支援下関節鏡手術

著者: 三宅潤一 ,   島田幸造 ,   十河英司 ,   久保伸之 ,   田中啓之 ,   森友寿夫 ,   村瀬剛 ,   菅本一臣 ,   吉川秀樹

ページ範囲:P.93 - P.96

 変形性肘関節症に対して,複数肢位で撮影したCTデータから,衝突する骨棘を3次元的に同定するコンピューターシミュレーション技術を開発した.術前に衝突する骨棘を同定し,それを基に鏡視下手術を行った.9例に施行したところ,術中概ね予定通りの可動域を獲得し,屈曲は術前平均117°から125°へ,伸展は平均-31°から-11°へ,JOAスコアは平均62点から91点へと改善した.本手法は衝突に関与する骨棘を正確に同定し,効果的な鏡視下手術の遂行を支援する有用な方法と考えられる.

症例報告

異常音を生じ脱転破損前に再置換を行った京セラ製人工股関節ABSカップの1例

著者: 稲谷弘幸 ,   加畑多文 ,   前田亨 ,   吉田弘範 ,   楫野良知 ,   土屋弘行

ページ範囲:P.97 - P.100

 異常音を生じ脱転破損前に再置換を施行した京セラ製人工股関節ABSカップの1例を経験したので考察を加え報告する.セメントレスABS HAシェルはセラミック骨頭とセラミックライナーの過度の密着により逸脱することがある.破損症例の7割に前駆症状を伴い,ほとんどがその後1カ月以内に破損すると報告されている.破損後の再置換術はセラミック片が残存し成績不良で,摺動面の選択肢が限られるなどのデメリットがあるため,異常音などの前駆症状があれば早期に再置換術が必要である.

INFORMATION

第38回日本整形外科スポーツ医学会学術集会 フリーアクセス

ページ範囲:P.25 - P.25

会期:2012年(平成24年)9月14日(金),15日(土)

会場:パシフィコ横浜(〒220-0012 横浜市西区みなとみらい1-1-1)

   TEL045-221-2166(交通案内) 045-221-2155(総合案内)

第36回整形外科エコーセミナー(入門コース) フリーアクセス

ページ範囲:P.31 - P.31

期日:2012年(平成24年)3月4日(日),午前9時~午後5時頃

主催:日本整形外科超音波研究会,教育研修委員会

会場:大正富山医薬品株式会社(〒170-8635 東京都豊島区高田3-25-1)

   TEL03-3985-1133

第14回蔵王整形外科スポーツセミナー フリーアクセス

ページ範囲:P.38 - P.38

会期:2012年(平成24年)2月2日(木)15時-18時,3日(金)9時-12時

会場:山形市蔵王温泉 ZAOセンタープラザ・サンハイム

第119回中部日本整形外科災害外科学会・学術集会 フリーアクセス

ページ範囲:P.55 - P.55

テーマ:医療とヒューマニティ

会期:2012年10月5日(金)~6日(土)

会長:馬場久敏(福井大学医学部器官制御医学講座整形外科学領域)

会場:福井市フェニックス・プラザ,ホテルフジタ福井,ほか

   〒910-0018 福井県福井市田原1丁目18-6

   TEL:0776-20-5151

第109回東北整形災害外科学会 フリーアクセス

ページ範囲:P.66 - P.66

会長:嶋村 正(岩手医科大学整形外科学講座 教授)

会期:2012年(平成24年)6月22日(金)・23日(土)

会場:マリオス(〒020-0045 盛岡市盛岡駅西通二丁目9番1号)

第51回日本小児股関節研究会 フリーアクセス

ページ範囲:P.75 - P.75

会期:2012年(平成24年)6月8日(金)・9日(土)

会長:品田 良之(松戸市立病院リハビリ科・整形外科)

会場:ホテルプリングス幕張(〒261-0021 千葉市美浜区ひび野1-11)

   TEL:043-296-3111(代表)

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欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P. - P.

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.103 - P.103

投稿規定 フリーアクセス

ページ範囲:P.104 - P.104

文献の書き方 フリーアクセス

ページ範囲:P.105 - P.105

あとがき フリーアクセス

著者: 黒坂昌弘

ページ範囲:P.106 - P.106

 先日,中国整形外科学会が北京で開催され出席してきたが,学会の規模の拡大のスピードに驚きを禁じ得なかった.約13億人という人口を有する国が急速に発展しつつある姿を如実に反映した学会の規模とスタイルの変化は,世界中から集まった参加者に強烈なイメージを印象付けるに十分であったと思われる.中国という国では,数年前までは,スライド発表の登録や発表会場での大きなトラブルの発生も日常茶飯事の出来事であった.今回の学会では,学会場のスライド受付のspeakers ready room一つを例えてみても,ほぼ完璧な英語を話せる若いボランティアが何人もいて,動画での発表を敢えて避けていた自分は驚きを隠せなかった.また,世界中から参加している整形外科医の数,展示会場の規模と参加している企業の数など,アメリカ整形外科学会の模倣の域から抜け出ようとする新しい息吹を感じた.学問的な発表のレベルは,残念ながらほとんどが中国語の発表なので,その科学的な価値を判断することが難しいが,学会の運営の変化から考えると,将来の整形外科の学問的なレベルが発展してくることも想像に難くない.オリンピックを契機に発展した,国の政策とも考えられるが,今後どのような展開を示すのであろうか.日本に帰国すると,空気の澄んだ,全く違う街並みの美しい国土に安堵するが,全く違う環境でひたすら前進している隣国の姿を忘れてはならないような気がする.隣国の発展ぶりに目をパチクリさせられるだけに,今後若い整形外科医を育てるための,さらに充実した整形外科の教育システムの構築などを含めて,日本の整形外科医療がさらに充実していくことを切に望むものである.また本誌が若い整形外科医の先生方の学習の一助になることを期待したい.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

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