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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科47巻1号

2012年01月発行

文献概要

症例報告

異常音を生じ脱転破損前に再置換を行った京セラ製人工股関節ABSカップの1例

著者: 稲谷弘幸1 加畑多文1 前田亨1 吉田弘範1 楫野良知1 土屋弘行1

所属機関: 1金沢大学附属病院整形外科

ページ範囲:P.97 - P.100

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 異常音を生じ脱転破損前に再置換を施行した京セラ製人工股関節ABSカップの1例を経験したので考察を加え報告する.セメントレスABS HAシェルはセラミック骨頭とセラミックライナーの過度の密着により逸脱することがある.破損症例の7割に前駆症状を伴い,ほとんどがその後1カ月以内に破損すると報告されている.破損後の再置換術はセラミック片が残存し成績不良で,摺動面の選択肢が限られるなどのデメリットがあるため,異常音などの前駆症状があれば早期に再置換術が必要である.

参考文献

1) Allain J, Goutallier D, Voisin MC, et al:Failure of a stainless-steel femoral head of a revision total hip arthroplasty performed after a fracture of a ceramic femoral head. A case report. J Bone Joint Surg 〔Am〕 80:1355-1360, 1998
2) Barrack RL, Booth RE Jr, Lonner JH, et al:Bearing surfaces. Orthopaedic Knowledge Update 3:337, 2002
3) (株)日本メディカルマテリアル 社内資料(Alumina Bearing Surace Cup Clinical Information Ver. 24.0)
4) 関 万成,脇坂敦彦,今村竜治・他:セラミック/セラミック人工股関節置換術―脱転破損前に再置換を行った1例.日本人工関節学会誌35:203-204,2005
5) Walter WL, Walter WK, Ellis A, et al:Squeaking in ceramic-on-ceramic hips. J Arthroplasty 22:496-503, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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