icon fsr

雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科47巻10号

2012年10月発行

雑誌目次

視座

入学試験地域枠拡大に思うこと

著者: 伊藤浩

ページ範囲:P.933 - P.934

 近年は旭川医科大学出身者の中で当病院に残り,初期研修を受ける卒業生は多くて年に20~30名程度であり,整形外科医局入局者は毎年1~3名にすぎず,医師数の不足が大きな問題となっている.最近は北海道地図をみるのが辛い.関連病院の派遣撤退や人数削減を余儀なくされた病院がすぐ頭に浮かぶからである.ある地方の病院では整形外科医撤退のため,3~4時間の距離にある他の市立病院に,膝の関節注射のため通わなければならなくなった多くの患者がいるという.誰もが「命は誰しも平等だ」と言いながら医療の地域格差,国際的格差は逆に拡大しているのが実情である.

 しかし,大学病院のある程度の充実を図るためには,涙を呑んで派遣撤退や人数削減を決定せざるを得ない.道北の現状では,整形外科の股関節,下肢,上肢,脊椎,腫瘍疾患の専門的治療を行える施設は旭川医科大学病院のみであり,各専門グループの充実が地域医療にとり重要である.当教室には各専門グループ間でバランスのよい連携をとりながら,教室全体のレベルアップを図ってきた歴史がある.今後も自分の専門領域である股関節に偏らず,各専門グループのさらなる充実を第一に優先して考え,地域医療における中核病院としての機能を保たなければならない.

誌上シンポジウム 内視鏡診断・治療の最前線

緒言 フリーアクセス

著者: 吉川秀樹

ページ範囲:P.936 - P.936

 関節鏡は,1950年代,本邦の渡辺正毅らが世界に先駆けて開発したオリジナリティの高い業績である.その後,1975年より日本関節鏡学会(現 日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会,JOSKAS)を基盤に膝関節鏡の開発,臨床応用を中心に発展してきた.近年の世界的な低侵襲手術への期待に伴い,小関節の関節鏡,脊椎内視鏡など新しい機器が次々と開発されてきた.技術面でも脊椎領域では,日本整形外科学会による脊椎内視鏡下手術・技術認定医制度も確立されている.このように,整形外科領域の内視鏡による診断・治療の進歩は著しく,整形外科手術が激変しつつあるといっても過言ではない.本誌上シンポジウムでは,整形外科各領域での内視鏡を用いた診断・治療の最新の知見を,臨床の第一線でご活躍の先生方に解説していただいた.

肩関節鏡視下手術

著者: 伊藤陽一

ページ範囲:P.937 - P.943

 肩関節の複雑性のために,肩関節疾患の十分な病態評価は困難であった.しかし,肩関節鏡の開発は病態解明を飛躍的に進めたと言っても過言ではない.肩関節鏡による正確な病態把握は正確な治療に直結し,様々な肩関節鏡視下手術を可能にし,安定した治療成績が得られるようになった現在では,従来の切開手術に取って代わろうとしている.代表的な肩関節鏡視下手術として,肩峰下インピンジメント症候群に対する鏡視下肩峰下除圧術,腱板断裂に対する鏡視下腱板縫合術,反復性肩関節脱臼に対する鏡視下Bankart修復術,肩甲上神経および肩鎖関節に対する鏡視下手術などがあり,その進歩は著しい.

膝関節鏡視下手術

著者: 安達伸生 ,   越智光夫

ページ範囲:P.945 - P.950

 膝関節鏡は本邦において世界に先駆けて開発され,実用化にいたった世界に誇るべき医療機器である.近年の膝関節外科における関節鏡の普及はめざましく,診断のみならず治療手段としても必要不可欠となっている.関節鏡視下手術は大きな関節切開によらないため手術侵襲が少ない.前十字靱帯や後十字靱帯再建術,半月板部分切除や縫合術,軟骨損傷に対する鏡視下手術などその適応範囲は広い.

 本稿では前十字靱帯解剖学的再建術や軟骨損傷治療など,最近の膝鏡視下手術の進歩とトピックスについて述べる.

股関節 鏡視下手術

著者: 杉山肇 ,   羽山哲夫

ページ範囲:P.951 - P.956

 股関節の鏡視下手術は,近年の最小侵襲手術のニーズの高まりとともに,器具の改善や技術の進歩により確立され,幅広い適応が認められるようになっている.おもな鏡視下手術としては,関節唇部分切除術・縫合術,関節遊離体摘出術,滑膜切除術,関節内デブリドマンなどがあり,最近では,変形性股関節症に対する関節授動術,femoroacetabular impingementに対する鏡視下手術も積極的に行われている.本邦ではまだ十分に普及していないものの,世界的には,年間約60,000件の手術が施行されていて整形外科でもっとも大きなトピックスである.

手外科における内視鏡手術

著者: 山本浩司

ページ範囲:P.957 - P.962

 近年,手外科領域における内視鏡手術はめざましい発展を遂げてきた.現在,手外科で行われている内視鏡手術は多岐にわたり,今後もさらなる発展が期待される.本稿では橈骨遠位端関節内骨折に対する鏡視下整復固定術,手関節拘縮に対する鏡視下手関節授動術,舟状骨骨折・遷延治癒・偽関節に対する鏡視下整復術・鏡視下骨移植術,三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷に対する鏡視下TFCC縫合術,手根管症候群に対する鏡視下手根管開放術,弾発指に対する鏡視下腱鞘切開術など,比較的頻度の高い疾患に対する術式について紹介する.

足関節鏡視下手術

著者: 高尾昌人

ページ範囲:P.963 - P.968

 関節鏡視下手術は現時点における最も進んだ最小侵襲手術手技であり,足関節外科においても,1970年代に渡辺により臨床への応用が行われてから急速に発展してきた.2000年にはvan Dijkにより後足部内視鏡の手技が発表され,さらに近年は,足底腱膜炎に対する鏡視下手術など,足部の様々な部位に応用されている.足の外科における鏡視下手術は,正確な術前診断に基づき適切に手術適応を決定し,関節鏡手技に精通した術者が行うことで,整形外科医と患者の双方にとって有用なツールとなる.

脊椎内視鏡手術

著者: 山田宏 ,   吉田宗人

ページ範囲:P.969 - P.974

 脊椎内視鏡手術は単に傷が小さくて痛みが少ないというだけでなく,従来法では成し得なかったことが達成可能な新しいサージカルテクニックという側面も有している.本稿ではその代表的な事例として腰椎椎間孔部(椎間孔内および外)狭窄症に対する最新の脊椎内視鏡手術の実際と治療成績を紹介する.従来法では徹底した神経除圧と峡部・椎間関節の温存を両立することが困難であったが,脊椎内視鏡の導入によってこの問題は解決可能となった.脊椎内視鏡手術は今後,同病変における手術療法の新しいスタンダードになる可能性を有している.

論述

臼蓋形成不全股に対する仰臥位前方進入法による人工股関節全置換術の治療成績

著者: 老沼和弘 ,   三浦陽子 ,   金山竜沢 ,   白土英明

ページ範囲:P.975 - P.979

 臼蓋形成不全股(Crowe2~4型)184関節に対し,仰臥位前方進入法による人工股関節全置換術の治療成績を検討した.平均追跡期間は3年1カ月であり,日本整形外科学会股関節機能判定基準は,術前平均42.4点が最終追跡時90.4点に改善した.再手術を要する手術合併症として,カップの初期固定性不良による早期脱転が4関節に発生したが,前方進入法導入後63例目以降,その発生を認めてない.習熟曲線の欠点はあるが,これまで報告されてきた術後股関節機能の早期回復・カップの正確な設置・低い脱臼率という前方進入法の長所を損なうことなく,臼蓋形成不全股に対しても安定した手術成績を得ることが可能である.

人工股関節全置換術における手術当日リハビリテーション介入は有効か―早期機能回復への影響

著者: 池田崇 ,   鈴木浩次 ,   大澤眞理子 ,   塚本理一郎 ,   辻耕二 ,   長澤弘 ,   平川和男

ページ範囲:P.981 - P.987

 目的:術当日のリハビリテーション(以下,リハ)実施が術後の機能回復に対して有効であるかを検証した.

 対象と方法:mini-one antero-lateral incision法で人工股関節全置換術を施行した女性変形性股関節症患者148例を対象とした.術当日リハを行った当日群74例と,術翌日からリハを開始した翌日群74例とで比較した.

 結果:当日群は有意に高齢であったが,術後1~4日目までの外転筋力が有意に高値であった.また,C反応性蛋白は両群で差がなく,術当日リハは炎症症状を助長しないことが示唆された.

 まとめ:本研究の結果から,術当日にリハを実施することは高齢であっても円滑な機能回復を可能とし,安全に壮年者と同じプロトコルの適用を可能とすることが示唆された.

境界領域/知っておきたい

リウマチ患者の間質性肺炎チェックポイント

著者: 藤田次郎

ページ範囲:P.988 - P.993

はじめに

 関節リウマチ患者には,しばしば関節リウマチに随伴する間質性肺炎を合併する.また関節リウマチの治療に用いる薬剤によっても間質性肺炎は発症しうる.さらに免疫抑制剤の使用に伴う免疫能の低下により,Pneumocystis jirovecii肺炎,およびcytomegalovirus肺炎などの感染症を合併する.これらの疾患はいずれも画像パターンが類似するため,肺病変の原因を特定することは困難なことが多い.また,日本人は欧米人に比べ,薬剤性間質性肺炎を合併する頻度が高いと考えられ,特に男性,喫煙者,粉塵吸引歴を有する者には注意を要する.

 本稿では,リウマチ肺,感染症,および薬剤性間質性肺炎の病態を明らかにするとともに,その鑑別診断,および様々な血清マーカーを用いた鑑別診断の方法について概説した.

連載 知ってますか?整形外科手術の変遷・7

腱板断裂の手術

著者: 三笠元彦

ページ範囲:P.994 - P.999

直視下手術

 腱板断裂に対し最初に手術をしたのは,Codmanである.1909年に最初の手術を行い,1911年に2例を報告している1).断端の引き込みのある断裂で何とか大結節に縫合しており,可動域は良好で患者は満足している.

 術式はその著「The Shoulder」(1934)に,小断裂にマットレス縫合したもの(図1-a)と,両サイドに補助切開を加え,腱端を前進させて大結節に縫着したものが掲載されている(図1-b)2).現在,McLaughlin法と呼ばれているものである.1938年の報告では3),その方法を改良して,腱板端を斜め前方に引き出して,前方部を側々縫合し,末梢部を大結節にマットレス縫合している(図2).Codmanの腱板手術における今ひとつの業績は展開でSaber cut法を紹介したことである(図3)4).前方は肩鎖関節で離断し,後方は肩峰基部で骨切りして腱板断端部を大きく展開している.

成長期のスポーツ外傷・障害と落とし穴・23

上肢帯・体幹部

著者: 田島卓也 ,   帖佐悦男

ページ範囲:P.1001 - P.1003

診断のポイント

 診断のポイントとして,問診による詳細な病歴(競技種目も含め)や自覚症状(安静時痛の有無など),および運動時の痛みの出現状況の聴取は重要である.次に,頚部から手指に至るまでの詳細な神経学的所見および肩・肘・手関節の関節機能,筋・腱の状態をチェックする.各筋の筋力測定や筋力低下がみられる姿位や関節運動方向などによる機能的診察も必須である.また上肢全体に及ぶ違和感・しびれ感の原因精査も重要である.必要であれば筋電図検査なども施行する.画像検査として単純X線,CTおよびMRIなどで順次診断を進める.

整形外科最前線 あなたならどうする?・10

整形外科最前線 あなたならどうする?

著者: 山内高雲 ,   伊藤芳毅 ,   清水克時

ページ範囲:P.1005 - P.1011

症例

患者:12歳,女児

主訴:左股関節痛

既往歴:特になし

現病歴:当院初診6カ月前から誘因なく左股関節痛が出現し,近医を受診し股関節X線像で異常を指摘された(図1-a,b,c).

身長:153cm 体重:73kg BMI:31 初潮:11歳頃

症例報告

骨化性筋炎を伴う腰椎骨折に脊椎固定術を行い骨化消失を得た1例

著者: 川畑亜矢人 ,   重盛廉 ,   吉野興一郎 ,   吉野啓四郎 ,   馬渡玲子 ,   杉田健 ,   濱崎将弘

ページ範囲:P.1015 - P.1018

 一般に,四肢外傷後の骨化性筋炎の初期治療は,安静・薬物療法が一般的であり,初期での観血的侵襲は骨化増大が懸念される.一方,脊椎骨折後の骨化性筋炎に対する観血的治療については,報告が少なく,意見の分かれるところである.今回われわれは,腸腰筋に骨化性筋炎を来した腰椎破裂骨折に対し脊椎固定術を行い,症状軽快と骨化消失を得た1例を経験した.

外傷後に遅発性麻痺を生じた強直脊椎の2例

著者: 堀内陽介 ,   奥山邦昌 ,   有井大典 ,   大矢昭仁 ,   菊池謙太郎 ,   丹治敦

ページ範囲:P.1019 - P.1024

 今回,われわれは外傷後に遅発性麻痺を生じた強直脊椎の2例を経験したため報告する.

 症例1は93歳の女性で,受傷から2週で麻痺が出現し,4週後に当院を受診した.入院後に保存加療を行ったが,受傷9週で肺炎を発症し,敗血症となり死亡した.症例2は86歳の女性で,受傷から1週で麻痺が出現し,3週後に当院を受診した.後方固定術を施行したが,術後1日目に出血性ショックのため死亡した.強直脊椎の患者では,遅発性に骨折部の転位や脱臼を生じやすい.そのため初診時にただちにMRIを施行するなど早期での診断を行い,早期治療を行うことが必要である.

Open wedge高位脛骨骨切り術後感染の1例

著者: 大石強 ,   鈴木大介 ,   山本和史 ,   坂野友啓 ,   清水雄太

ページ範囲:P.1025 - P.1028

 Open wedge高位脛骨骨切り術(以下,HTO)では骨切り部を開大させるため,感染した場合にその鎮静化は困難である.58歳男性の変形性膝関節症に対しopen wedge HTOを施行し,術後3週でメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌による感染後,菌交代現象により緑膿菌感染を発症した症例を経験した.デブリドマン,抜釘,抗生剤含有セメント充塡,膝関節創外固定に引き続き,抗生剤含有リン酸カルシウム骨ペースト充塡と脛骨ハイブリッド型創外固定など計5回手術を施行した.感染の鎮静化には抗生剤含有セメント充塡と膝関節固定が,また感染再発予防と外反アライメントの維持には抗生剤含有リン酸カルシウム骨ペーストと脛骨ハイブリッド型創外固定が有用であった.

モルキオ症候群に合併した強直性脊椎骨増殖症の1例

著者: 高瀬史明 ,   土井田稔 ,   平中崇文 ,   上本晴信 ,   飛田祐一 ,   辻充男 ,   冨岡正雄

ページ範囲:P.1029 - P.1032

 モルキオ症候群はムコ多糖症の一種で,体内にムコ多糖が蓄積することで様々な症状を引き起こす比較的稀な疾患である.モルキオ症候群に合併する脊椎疾患として環軸椎不安定性が多く報告されているが,渉猟し得た範囲では後縦靱帯骨化症(OPLL)の報告はない.今回,強直性脊椎骨増殖症を合併したモルキオ症候群の患者で,頚胸椎のOPLLに対して手術を行った症例を経験したので報告する.またモルキオ症候群とOPLLはともに軟骨内骨化異常との関連が報告されており,OPLLの発生機序に関しても考察を加える.

INFORMATION

第25回日本肘関節学会学術集会 フリーアクセス

ページ範囲:P.950 - P.950

会期:平成25(2013)年2月8日(金),9日(土)

会場:都市センターホテル(東京都千代田区平河町2-4-1)

第15回日本内視鏡低侵襲脊椎外科学会 フリーアクセス

ページ範囲:P.956 - P.956

会期:2012年11月23~24日

会場:ニチイ学館神戸ポートアイランドセンター

第40回日本生体電気・物理刺激研究会 フリーアクセス

ページ範囲:P.979 - P.979

日時:2013年3月8日(金),9日(土)

場所:ウェスティン都ホテル京都

2013年国際骨代謝学会・日本骨代謝学会 第2回合同国際会議 フリーアクセス

ページ範囲:P.987 - P.987

会長:〈合同国際会議〉Henry Kronenberg(ハーバード大学)

  野田 政樹(東京医科歯科大学難治疾患研究所分子薬理学)

  〈第31回学術集会〉吉川 秀樹(大阪大学)

会期:2013年5月28日(火)~6月1日(土)

会場:神戸ポートピアホテル・神戸国際会議場・神戸国際展示場

第18回スポーツ傷害フォーラム フリーアクセス

ページ範囲:P.993 - P.993

日時:2013年1月26日(土) 9:30~16:30

場所:グランキューブ大阪(大阪国際会議場)特別会議室(大阪市北区中之島5丁目3番51号)

第13回エピドラスコピー研究会 フリーアクセス

ページ範囲:P.1024 - P.1024

開催日程:2012年11月3日(土) 9:30~12:00(予定)

会長:井関 雅子

開催場所:ビッグパレットふくしま/福島文化センター(日本臨床麻酔学会第32回大会併催)

--------------------

欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P. - P.

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.1035 - P.1035

投稿規定 フリーアクセス

ページ範囲:P.1036 - P.1036

文献の書き方 フリーアクセス

ページ範囲:P.1037 - P.1037

あとがき フリーアクセス

著者: 黒坂昌弘

ページ範囲:P.1038 - P.1038

 新聞紙上の報道を見ると,毎日のように尖閣諸島のニュースで溢れかえっている.どの国でも,領土問題になると国民感情も高ぶり,皆が熱くなるのが手に取るように伝わってくる.実際に,中国や韓国の整形外科医と話をしていても,領土問題の話になると,非常に高ぶる気配をみせる医師までいる.どれだけの税金が,このような領土問題で使われているかを考えると,時間と,お金と,労力の無駄遣いのような気もしてくる.お互いに,歴史をひも解いて主張しあえば,どんな議論でもできそうな気もするし,同じアジアの隣国と無駄な緊張を高めたりするより,力を合わせて世界の国々と競うほうが,ずっと生産的ではないかとも思える.いっそのこと,尖閣諸島や竹島は,半分半分に分けてお互いの権利を認めてみてはどうかとも思うが,この話をして納得する隣人がいないので,無理な妄想なのかも知れない.尖閣諸島をお金で買うなら,日本の固有の土地である,北方領土問題にはどうして力が入らないのか,不思議な感じがするのは,私一人なのかと自問してしまう.しかし,世界のニュースをみると,尖閣諸島のことなどはほとんど触れられていない.たとえば,USA Todayのニュース記事では,イスラム教徒のアメリカへの怒り,Obama and Romneyの選挙戦,NFLアメリカンフットボールの開幕などが話題の中心であり,世界の関心がバラバラなことがわかる.

 それでも健康,運動器疾患に対する関心の高まりは,世界中のどの人々も認める一致した見解である.日本の厚生労働省も運動器疾患の重要性を認識せざるを得ないよう,日本整形外科学会を中心とした整形外科医が十分なエビデンスを構築し,欧米に比較して遅れを取らないように努力をしていくことが重要な課題と考えられる.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら