icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科47巻10号

2012年10月発行

境界領域/知っておきたい

リウマチ患者の間質性肺炎チェックポイント

著者: 藤田次郎1

所属機関: 1琉球大学大学院感染症・呼吸器・消化器内科学(第一内科)

ページ範囲:P.988 - P.993

文献概要

はじめに

 関節リウマチ患者には,しばしば関節リウマチに随伴する間質性肺炎を合併する.また関節リウマチの治療に用いる薬剤によっても間質性肺炎は発症しうる.さらに免疫抑制剤の使用に伴う免疫能の低下により,Pneumocystis jirovecii肺炎,およびcytomegalovirus肺炎などの感染症を合併する.これらの疾患はいずれも画像パターンが類似するため,肺病変の原因を特定することは困難なことが多い.また,日本人は欧米人に比べ,薬剤性間質性肺炎を合併する頻度が高いと考えられ,特に男性,喫煙者,粉塵吸引歴を有する者には注意を要する.

 本稿では,リウマチ肺,感染症,および薬剤性間質性肺炎の病態を明らかにするとともに,その鑑別診断,および様々な血清マーカーを用いた鑑別診断の方法について概説した.

参考文献

1) Bandoh S, Fujita J, Ohtsuki Y, et al:Sequential changes of KL-6 in sera of patients with interstitial pneumonia associated with polymyositis/dermatomyositis. Ann Rheum Dis 59:257-262, 2000
2) 小谷泰一,真鍋俊明:肺炎の画像診断のための病理学的裏づけ.化学療法の領域23:31-43,2007
3) Nakamura H, Tateyama M, Tasato D, et al:Clinical utility of serum beta-D-glucan and KL-6 levels in Pneumocystis jirovecii pneumonia. Intern Med 48:195-202, 2009
4) 日本呼吸器学会薬剤性肺傷害の診断・治療の手引作成委員会(編集):薬剤性肺障害の診断・治療の手引き.社団法人日本呼吸器学会,2012
5) 岡田慶夫:肺のリンパ系と肺癌.金芳堂,1989
6) 山田安正(編):現代の組織学.第3版,金原出版,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら