臨床整形外科47巻10号

2012年10月発行

症例報告

骨化性筋炎を伴う腰椎骨折に脊椎固定術を行い骨化消失を得た1例

著者： 川畑亜矢人¹ 重盛廉² 吉野興一郎¹ 吉野啓四郎³ 馬渡玲子¹ 杉田健¹ 濱崎将弘¹

所属機関： ¹健和会大手町病院整形外科 ²総合病院鹿児島生協病院整形外科 ³福岡医療団千鳥橋病院整形外科

ページ範囲：P.1015 - P.1018

　一般に，四肢外傷後の骨化性筋炎の初期治療は，安静・薬物療法が一般的であり，初期での観血的侵襲は骨化増大が懸念される．一方，脊椎骨折後の骨化性筋炎に対する観血的治療については，報告が少なく，意見の分かれるところである．今回われわれは，腸腰筋に骨化性筋炎を来した腰椎破裂骨折に対し脊椎固定術を行い，症状軽快と骨化消失を得た1例を経験した．

参考文献

1) 影近謙治，高木泰孝，山田泰士・他：歩行が自立した巨大異所性化骨を有する頸髄損傷患者の1例．中部整災誌50：845-846，2007

2) 桐山英樹，東　久登，土本正治：び慢性軸索損傷に合併した骨化性筋炎の1例．尾道市立市民病院医学雑誌11(2)：127-130，1996

3) 宮田　恵，江原　茂：石灰化病変の画像診断．軟部．臨床画像14：862-869，1998

4) 中根惟武，高橋修一朗，桃崎和彦・他：股関節形成術後の異所性骨化に対するEtidronate Disodium(EHDP)の臨床効果―非投与群との比較検討．日リウマチ・関節外会誌13：141-152，1994

5) 仁田有次郎，細野智子，呉　偉俊・他：頸部に同時発生した後腹膜Myositis ossificans(骨化性筋炎)の1例．泌尿器科紀要53：737，2007

6) 嶋越美和：特集．Bisphosphonate. Bisphosphonateの臨床応用．異所性骨化．Bone7(3)：93-100，1993