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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科47巻10号

2012年10月発行

文献概要

症例報告

Open wedge高位脛骨骨切り術後感染の1例

著者: 大石強1 鈴木大介1 山本和史1 坂野友啓1 清水雄太1

所属機関: 1JA静岡厚生連遠州病院整形外科

ページ範囲:P.1025 - P.1028

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 Open wedge高位脛骨骨切り術(以下,HTO)では骨切り部を開大させるため,感染した場合にその鎮静化は困難である.58歳男性の変形性膝関節症に対しopen wedge HTOを施行し,術後3週でメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌による感染後,菌交代現象により緑膿菌感染を発症した症例を経験した.デブリドマン,抜釘,抗生剤含有セメント充塡,膝関節創外固定に引き続き,抗生剤含有リン酸カルシウム骨ペースト充塡と脛骨ハイブリッド型創外固定など計5回手術を施行した.感染の鎮静化には抗生剤含有セメント充塡と膝関節固定が,また感染再発予防と外反アライメントの維持には抗生剤含有リン酸カルシウム骨ペーストと脛骨ハイブリッド型創外固定が有用であった.

参考文献

1) 井口浩一:脛骨近位部骨折に対する低侵襲治療法―創外固定.MB Orthop 19:35-42,2006
2) Karatosun V, Demir T, Unver B, et al:A brief report on managing infected nonunion of a high tibial osteotomy in two stages:a case series involving seven knees. J Bone Joint Surg Br 93:904-906, 2011
3) 小島利協,武村憲治,森井一弘:高位脛骨骨切り術後の偽関節に対して膝関節固定術を行った1例.整形外科50:1104-1106,1999
4) 湊 貴至,西登美雄,谷 貴行・他:抗生剤入りセメント状骨充塡剤(バイオペックスR)による膝関節化膿性関節炎,骨髄炎の治療.東北膝関節研会誌16:23-26,2006
5) 新垣宣貞,大久保宏貴,宮里 聡・他:化膿性骨髄炎に対するバンコマイシン含有ペースト(バイオペックス)による治療経験.整形外科と災害外科55:242-246,2006
6) 竹上靖彦,北村伸二,佐藤公治:感染人工関節に対するリン酸カルシウム骨ペースト(バイオペックス)使用の小経験.東海関節1:79-82,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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