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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科47巻11号

2012年11月発行

文献概要

誌上シンポジウム 橈骨遠位端骨折の治療

橈骨遠位端骨折の保存療法の適応と成績

著者: 高畑智嗣1

所属機関: 1上都賀総合病院整形外科

ページ範囲:P.1055 - P.1059

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 転位した橈骨遠位端骨折73例を麻酔下に整復し手関節背屈位固定で治療した.外固定中もつまみ動作が可能で日常生活に患肢を使用できた.初診時平均-20.1°(-48~6)だったpalmar tiltが,骨癒合時は平均-1.1°(-20~13)で初診時の転位の大小に影響されなかった.10週以上経過観察した62例の平均関節可動域は回内82°,回外88°,背屈79°,掌屈62°であり,斎藤の評価でfairとpoorはなく,重篤な合併症もなかった.転位した橈骨遠位端骨折に対しても保存療法の適応があり,成績は良好である.

参考文献

1) Calandruccio JH, Collins E, Hanel D, et al:Hand and Wrist Trauma. pp361-364 (Orthopaedic Knowledge Update 6th ed. American Academy of Orthopaedic Surgeons, 1999)
2) 斎藤英彦:橈骨遠位端骨折―解剖学的特徴と分類,治療法.整・災外32:237-248,1989
3) 高畑智嗣:手関節背屈位ギプス治療のポイント.MB Orthop 18(9):1-7,2005
4) 高畑智嗣:手関節背屈位固定.pp110-114〔斎藤英彦,森谷浩治(編):橈骨遠位端骨折.進歩と治療法の選択,金原出版,東京,2010〕
5) 橈骨遠位端骨折診療ガイドライン策定委員会:関節外骨折に対して手術的治療は保存的治療より有効か.pp28-30(橈骨遠位端骨折診療ガイドライン2012,南江堂,東京,2012)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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